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堀江貴文×石川光久「攻殻機動隊を巡るトークセッション」 4/4

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今だから作れる、今じゃなきゃ作れないものがある

AA 今、アニメって昔に比べると、クールジャパンという形で海外に広がってますが、アニメ全体について感想ってありますか?ちょっと曖昧ですけど。

堀江 僕、アニメを作りたいって誰かと話をしたときに、「結局、動く絵をきれいに描ける人って日本に何人かしかいないんだ。宮崎駿の何がすごいかって、動く絵をきれいに描けるっていうのがすごいんだよ、結局そこがヒットを生むんだ」っていう話をされて。つまり、動かない絵をきれいに描ける人は山ほどいるんだけど、アニメーションになったことをイメージしながら絵コンテをきれいに描けるっていうのがいないみたいですね。

石川 たぶん宮崎さんが言うには歪みはいいって言うんですよね。歪みを描く。コンピュータ上だと、なんかこう割ったような、コンピュータ上に割れるような絵、描けるような絵というか、そういうのって、面白くないっていうんですよね。まず歪みが描けるかどうかの感性だったり、あとはレイアウトもそう。写真を撮った構図を描くっていうのだったら実写でいいわけなんですけど、それをなんとなく感情移入させるとかね。そういうところが描ける人って、カメラマンでありアニメーターであり、まあ、どっちかっていうと役者であるっていう。動かしてもいいし、アングルも描けるし、カメラのレンズも全部描けるっていう人は、日本の中でもほんとに稀っていうか、そこは教えて教えられるもんじゃないらしくて。

堀江 そうなんですね。へ〜。

石川 『AKIRA』を一線で作った人たちが今、いわゆる上手いって言われるアニメーターなんですね。『AKIRA』は20代ぐらいの若い人が作っていたんですけど、あれからもう20年ぐらい経ってあの人たちが50歳近くなってしまって、そういう上手い人がいなくなったというのはあります。じゃあ今『AKIRA』を作れって言ったときに、当時の上手いアニメーターが中心となって作れるかって言ったら、もう作れない。集中力がもう保たない。技術力があっても集中力が保たなきゃダメなんですよ。でも、それを見て育った若い人たちがもう1回作ろうっていうと、これはもう1回できる気がします。できなくなったっていうのは、昔の手法で作ろうと思うとできないんです。そういう面ではたとえばペンが鉛筆かタブレットとかに変わったときに、CGなどのいろんな技術を使うことで、また上手い絵が出てきてるんですよ。

AA そうですね。

石川 今のはすごくきめ細かいし、技術的に昔と今とどっちが粗が目立つかっていうと昔の方が全然粗が目立ってたりするから。そういう面だと、アニメーターがいなくなったっていうのは、面白いかどうかじゃないかと思って。アニメーションやることが、若者にとって、人にとって面白いと。これで仕事したいって思わせることが多いか少ないかですね。

堀江 アニメやりたい人は多いでしょうからね。グローバルにはね。アニメって常に生産されて行くので。

石川 そうだよね。

堀江 それはいいですよね。ロケットとかそうはいかないですからね(笑)

AA 最後に1つだけ、これは石川社長に聞きたいんですけど、25年間作り続けてきた攻殻機動隊。今、もう1度世に出す、その意味っていうのは?

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石川 今だから作れるっていうのと、今じゃないと作れなくなるっていうのはあると思うんですね。黄瀬和哉が今、攻殻機動隊の総監督をやってるけど、彼は25年作画監督ずっとやってて、今ここで彼が作らないとっていう気持ちがあります。そして、それを見たいっていうお客さんがいる。今回の7月25日にBlu-ray&DVDが発売となるシリーズ第3巻『攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』では恋愛、男と女とは?という問いかけや、そこにある本質的なドラマ、その辺りを是非見てほしいですね。

AA 今日は長時間に渡りありがとうございました。

堀江 ありがとうございました。

 

『攻殻機動隊 ARISE』シリーズ http://www.kokaku-a.jp/
攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』 Blu-ray&DVD発売中 http://product.kokaku-a.jp/archives/186 

Photograph/ Text/Edit/=柚木大介