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ホリエモンWITH 熊谷俊人千葉市長が語る、行政の現在そして未来。後編1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 千葉市長 熊谷俊人

<前編はコチラ>

ホリエモンが感じた進まない資産のオフバランス化

堀江 これもいい機会なので聞いてみたかったんですけど、不動産に対する考え方って。

熊谷 と言いますと?

堀江 地方自治体も役所もそうですけど、資産のオフバランス化みたいなものがあんまり進んでないのかなって気がすごいしていて、例えば、全然市政とは関係ないんですけど、裁判所がビジネス裁判所っていうのが今度出来てっていう話になってるんですけど、前提として出来るのが3、4年後で、そのために新庁舎を竣工するみたいな、そういう感じになっちゃうのが僕は不思議でしょうがなくて。民間の不動産って供給が間に合ってないかって言うと、むしろ空いてる部屋なんていっぱいあるわけでそういうのを活用してそういうビルに入っちゃえばいいのにな、なんていつも思ったりするんですけど、そういうのはどうなんですか?なんで庁舎とか作っちゃうんですか?

熊谷 これは重要なポイントですよ。これは当然議論しなきゃいけないポイントで、行政って全部自分たちで作っちゃうんですよ。これは出来る限りやめて、民間と一緒になっていくっていう方向に間違いなくならなきゃいけないと思います。例えば図書館とか公民館とか、地域のコミュニティ施設なんていうのは、地域に行けばいくほど、大規模なショッピングセンターみたいなのがあるじゃないですか。例えばそういうのに混ぜ込んでいくっていう方向にやっぱり考えていかないと私はいけないと思うんですよね、独立でドンと持つというよりも。千葉市はまさにそういう方向に向かってますし、そういう方向に日本全体もなってくると思います。

ただ庁舎は難しくて、例えば千葉市ぐらいの規模になっちゃうと、我々の庁舎が入るレベルのビルがない。東京だったら多分出来ちゃうと思います。我々のこの庁舎、もう40年ぐらい経っていて、実際もう駄目なんですよ。耐久的にも。もともとこの庁舎は小さいので、いくつか間借りしていて、年間賃料5億円ぐらい払ってるんですよ。これだったら建て替えなきゃいけないねっていう事で、建て替えようって時に民間のオフィスを借りるっていうのを一つの選択肢で入れたんですけど、いろいろな条件が合わずに、私たちは仕方なく新庁舎作るしかないっていうことになってます。

堀江 僕らからしてみれば、民間企業でも千葉市からずっと費用がもらえるって言うのであれば、やるような業者っていそうな気もしなくもない。

熊谷 そうですね。おそらくこの庁舎作る時って、民間に作ってもらいますね。我々だけじゃなくて、他のものも同梱でやってもらって結構ですと。我々はとにかくこれぐらい入りますから、あとは設計からデザインから他とどういうふうに入れるかは、自由にやっていただいて結構です、我々は単年度で払わずに、毎年一定金額を支払って、3、40年の長期契約にします、というような感じですね。

堀江 それはいいですよね。今まで、僕はすごい不思議なんですけど、例えば東京都庁みたいなのをどーんと建てて、そのどーんとあるところになんか変なテナントがまた癒着しているような業者のまずい飯屋とかポンポンポンと入ってるじゃないですか、だいたい。都庁が主で、中に入っている飲食店は従で、ろくでもない業者がいっぱい入っているみたいな状況になっているのが、本当に不思議でしょうがなくて。だって市役所って、人がそれなりに来るところですよね。職員もたくさんいるし。

熊谷 昼飯食いますからね。

堀江 昼飯食うし、だから飲食店だってそれなりのニーズ出ますよね。出ますし、逆に市民だってそれなりに来るわけだから、なんかほかにショッピングセンターとかあってもいいと思うんですけど、そういう複合施設ってこれまで何でなかったんでしょうかね。

熊谷 どうですかね。一つは、法律上そういうことをやるとすごく大変だった時代があったのは確かなんです。この間、規制緩和でいろんなものが認められてくるようになったんですね。やはり小泉改革で、何が変わったかって言うと、指定管理者制度っていうのが出来て、管理を民間にさせるっていうことができるようになったというところ。

ホリエモンWITH 堀江貴文 千葉市長 熊谷俊人

堀江 指定管理者制度。

熊谷 当たり前のことが、民間にお願いできるようになったという、画期的なことなんですよね。私たち行政サイドも、それと同じように、建物を民間に作ってもらった後に使うみたいな手法とかも認められてきたのは、ここ10年20年の話ですよ。あとは、行政的なマインドで、自分たちで決めて自分たちでやったほうが楽じゃないか。時間もかからないし、コントロールできる中でやるわけだから。お金はちょっと高くつくかもしれないけれどっていうのは今でもまだ残ってますね。民間よりはコスト意識っていうのはどうしても薄くなりがち。ただ、制度が変わってきたっていうのは大きいですよ。だいぶよくなってきてるんですよ、これでも。

堀江 それ、ずーっと不思議だったんですよね。さすがに千葉市が20年とかでなくなるとも思わないので。貸す方からしたら結構安定顧客じゃないですか。

熊谷 どうしてもそこで出てくるのが、災害対応とかセキュリティーとかって話になってきた時に、全部自分たちでやってるのと、例えば同梱でやってるのとでは、どうしても説明としては全部自分達だけでクローズしている方がよく見えるじゃないですか。

堀江 セキュリティーレベルは全然民間の方が凄いですけどね、今。

熊谷 やっぱり難しいのは、市民や議会っていうところに対して、説明責任っていうのがどうしてもある中で。

堀江 民主主義ですからね。

熊谷 合理的にやればやるほど、リスクとしては存在するわけじゃないですか。コントロールできるから民間では流行っていく手法なんだけれども、リスクの名前だけ上げると「まあ怖い」みたいになっちゃうわけですよね。

堀江 ネガティブコメントが。しかもそれをやる人達がいますからね。

熊谷 やっぱりそうです。ネガティブな方向に考えれば、きりがない世界。

堀江 リスクはゼロにはならないですからね。

熊谷 そうなんですよ。まさにおっしゃる通りです。リスクがゼロにならないっていうのを、どれだけ理解をしてもらえるか。リスクを例えば1%を0.1%にするのには、10倍じゃなくて100倍のコストがかかるっていうことを、どれだけ多くの人に理解してもらえるか。例えば、20年にいっぺんとかのすごい台風が来たら浸水するところがあるかもしれないけれど、「この浸水を起こさないために町づくりをしろ」なんて言われちゃうと、それってすごいコストになりますよって。それはコストとリスクのバランスで考えるべきじゃないですかっていう。

堀江 そういう時はしょうがないと。

熊谷 そういう時の為に、やっぱりいろいろな地域に住んでる人たちがいらっしゃいますので、防水板の補助事業などを作ってるんですよ。行政も補助して。どこまでを許容するかの水準って、日本はまだコンセンサスが取れてない感じがします。コストとリスクのバランス。メディアも災害とか起きちゃうと、ものすごい「なぜ防げなかったんだ」っていう方向に行っちゃうじゃないですか。

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