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ホリエモンWITH 「量子ドットレーザーでスマートグラスを変える!」 東大・荒川泰彦が考える量子研究の未来とは?後編 1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 荒川泰彦

<前編はこちら>

非線形効果で赤・緑・青色を作り出す

荒川 将来的には量子ドットレーザーをもっと小型化して、マイクロレーザーにしていきたいと思っています。その時には緑色や青色の量子ドットレーザーも作らないといけないわけですから、まだまだ技術開発が必要です。

堀江 まだ、緑色や青色は出せていないのですか?

荒川 はい。正確には赤色もまだですが……。現時点では、波長変換をしなければいけません。

堀江 波長変換はどうやってやるのですか?

荒川 “非線形光学効果”というのがありますが、ある物質を通すと2つの光子が一緒になってひとつになる。

堀江 ああ……。

荒川 2つの光子がひとつになるということは、エネルギーが2倍になるということですよね。

堀江 はい。

荒川 エネルギーが2倍になるということは、波長が2分の1になるということ。3つの光子が一緒になれば3分の1になるわけです。光子を一緒にすることを光非線形効果といいます。ある結晶を使うとそういう効果が得られるのです。

堀江 どういう結晶ですか?

荒川 いろいろありますが、ニオブ酸リチウムが代表的です。ただ、最終的には、ガリウムナイトライド系の材料を使って直接発光のレーザーをつくるのが理想です。

堀江 ガリウムナイトライドでレーザーを作る?

荒川 そうですね。ガリウムナイトライドでレーザーを作る。まさにノーベル賞を受賞した赤崎先生や中村修二さんがやったような、ああいう話です。違いは、量子ドットを用いたレーザーで緑色を出す。これはまだ難しい。そういうことにチャレンジする必要があります。

ホリエモンWITH 堀江貴文 荒川泰彦

堀江 すごいですね。

荒川 それから量子ドットは太陽電池にも使えるのですよ。

堀江 ほう。

荒川 私が計算した結果では、理論限界としては変換効率を80%に近づけることが可能性である。

堀江 80%はすごいですね。

荒川 実際には、まだ20%とかそのくらいですけど。

堀江 20%でも高いですよ。

荒川 それで、60%くらいになると、いろいろな使い方ができるのです。たとえば、自動車の屋根にのせて夏の暑い時にクーラーをかけることができる。今の効率だと自動車よりもはるかに大きな面積が必要ですが、それくらい効率が上がってくると通常の自動車にのせるだけでいい。

堀江 ああ。

荒川 30万円くらい余分にお金を出しても、それだと買う気になりませんか?

堀江 なるほど。

荒川 それなりの高級車に乗っている人だったら、これがオプションであれば、ちょっとくらい高くても買ってくれるかなと思います。

堀江 それくらいの効率になればですね。

荒川 そうです。太陽電池は今はコスト競争の世界ですが、効率が高ければ高くとも買う。コスト競争からの脱却、へのパラダイムシフトです。日本のチャンスです。

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