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アドバンスデザイン 本田正が語る“データリカバリー”の未来 前編2/2

ホリエモン アドバンスデザイン 本田正 堀江貴文

垂直磁気記録ができるようになって、ハードディスクの容量が大きく増えた

堀江 今、ハードディスクのメーカーって、世界にどれくらいあるんですか?

本田 3社ですね。

堀江 世界で3社? 寡占がかなり進んでいるんですね。

本田 はい。今は『Western Digital(ウエスタンデジタル)』『SEAGATE(シーゲイト)』『東芝』です。

堀江 しかし、ハードディスクはうまく生き残りましたよね。ハードディスクって、磁気テープとか磁気ドラムの次くらいの技術ですもんね。だから、いろいろなものに取って代わられるって言われてましたよね。

本田 そうですね(笑)。ずーっと言われてましたけど、まだ生き残ると思いますよ。垂直磁気記録ができるようになって、容量がかなり大きくなったんです。これは東北大学の岩崎俊一教授(現・名誉教授)の発明のおかげです。

堀江 垂直記録って、具体的にどういうふうに磁気を重ねているんですか?

本田 それまでは水平磁気記録といって、プラスとマイナスを横に置いて記録していたんです。それを縦方向に置くことで、密度がすごく上がったんです。

堀江 横方向を縦方向にした……。

本田 そうです。例えば、このテーブルの上に人を寝かせたら何人も寝られませんが、テーブルの上に立たせれば、かなりの人数が乗りますよね。

堀江 なるほど。

本田 最初は、うまくいかないと言われていたんですが、岩崎先生が長年研究されて成功したんです。

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堀江 (垂直磁気記録について検索しながら……)ああ、1975年に発明されて1980年代にMOに採用されたんですね。その後、2005年に東芝が垂直記録のハードディスクを出したんだ。

本田 岩崎先生がいなければ、ハードディスクの寿命はとっくに終わっていたかもしれません。

堀江 なるほど。すごい発明ですね。

本田 でも、わりと知られていないんです。

堀江 ハードディスクって、今、価格がめちゃめちゃ下がってますよね。今、いくらくらいなんですか?

本田 そうですねえ。6テラで2万円とか3万円くらいじゃないですか。

堀江 6テラで2万円!(笑)安いですね。

本田 安いです。

堀江 6テラになるとデータの復旧も大変じゃないですか?

本田 そうですね。ただ、やること自体はかわりなくて、作業時間が2倍、3倍になるという感じです。容量が増えたからといって難しくなるわけではなくて、時間がかかるようになりましたね。

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堀江 これ(iPhone)って、フラッシュメモリでしたっけ?

本田 そうですね。

堀江 フラッシュメモリ関連もやられているんですか?

本田 やっています。フラッシュメモリは、チップを外して、コントローラーをイノベーションしてデータを取ったりしますね。

堀江 フラッシュメモリもすごい勢いで進化していますよね。

本田 そうですね。フラッシュメモリは書き換え回数に制限があるので、それをなるべく平準化するために、各社が独自の技術を持っています。それを解析しないとデータリカバリーができないんです。

堀江 フラッシュメモリもすごく普及していますからね。今は、どんな需要が増えているんですか? やっぱり、オンラインストレージですか?

本田 そうですね。今、オンラインストレージにじゃんじゃんシフトしていると思います。

堀江 それは、通信回線スピードの高速化が背景にあるんですか?

本田 そう思います。それから、仮想化が使えるようになってデータが小分けできるようになったのも理由のひとつだと思います。

堀江 そうですよね。僕らウェブサービスを作ってる側からすると、めちゃめちゃ楽になりましたから。CPUのインスタンス増やして、ハードディスクの容量を増やしてみたいなことが、自由自在にできるようになったので。

本田 そうですよね。そこが便利になった反面、データのリカバリー屋泣かせにはなったんです。どういうふうに設定して、どういうふうに増やしたのかっていうのを全部、解析しないとダメなので結構、大変です。

 

Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

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