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“リニア”“満員電車対策”“知能列車”…… 鉄道総研・高井秀之が語る 「最先端の鉄道システム」とは?前編1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 鉄道総研

鉄道総研は公益法人。基本的に開発した技術は公開する

堀江貴文(以下、堀江) 鉄道総合技術研究所は、鉄道に関することすべてを扱っているんですよね?

高井秀之(以下、高井) そうですね。

堀江 リニアモーターカーも?

高井 ええ。リニアモーターカーって地上から浮いているようなイメージがあると思うんですが、今のシステムは壁から釣り上げているんです。反発力で浮いているというよりも両側の壁の吸引力で浮いているんです。ですから、実は床はいらないんですよ(笑)。

堀江 ああ、そうなんですか(笑)。

高井 でも、ないと何かと不便ですから床をつけています(笑)。

堀江 タイヤみたいなものはついているんですか?

高井 タイヤはついてます。浮上速度がだいたい時速200km弱なので、それまではタイヤで走って、スピードがついてくると浮かぶんです。

堀江 やっぱり、建設のコストはかなり高いんですか?

高井 鉄道のコストの8割はトンネルや橋などの構造物にかかります。レールや枕木など軌道にあたる部分はそれほど高くはないんですが、リニアの場合はやはり導線をたくさん巻きつけるので……。

堀江 じゃあ、通常よりもコストはかかる。

高井 品川から名古屋までの建設コストは約5兆円といわれています。

ホリエモンWITH 堀江貴文 鉄道総研

堀江 今はJR東海がやっているんですよね。

高井 はい。平成17年(2005年)に基礎技術が確立したので、それ以降は運用の主体であるJR東海さんのほうで実用化を進めています。ですから、我々は今、「超電導フライホイール」(蓄電システム)や「超電導饋(き)電ケーブル」(電気抵抗がゼロになるケーブル)といった超電導の応用技術の研究を進めているんです。

堀江 き電ケーブルっていうのは、世界的にも最先端の研究ですよね。

高井 そういって良いと思います。

堀江 だって、超電導の実用化っていったら、医療器具のMRIくらいですもんね。そういう技術はJR以外にも提供していくんですか?

高井 ええ。我々は公益財団法人ですから、基本的には技術は公開しています。超電導き電ケーブルも公益事業ですので公開が前提です。

堀江 公開すると、その技術はどんな企業でも無料で使えるんですか?

高井 公益財団法人といっても、特許+ノウハウ分はいただいていますね。

堀江 じゃあ、「そんなに高くないライセンス料で使えます」みたいな感じですか?

高井 はい。

堀江 なんか “宝の山”ですね(笑)。

高井 そうですね(笑)。それに、鉄道といってもただ車両を動かしているだけではなくて、いろいろな技術が入っていますから、いろいろな分野で利用可能だと思います。

堀江 こうした技術って、もっと世界の鉄道などに普及していってもいいと思うんですけど……。

高井 鉄道って、新幹線のように極めて高度でシステマチックな技術を求められるものもあれば、「とりあえずレールがあって走ればいいや」という場合もあります。世界の多くの鉄道は、「走ればいいや」というほうなんですよ。

ホリエモンWITH 堀江貴文 鉄道総研

堀江 ああ……。

高井 例えば、開発途上国に行くと、「日本だったら、これは運行停止だな」って思う路線がよくあります。

堀江 僕、この間、バングラディッシュに行ってきたんですけど、もうボロボロで「この状態でよく走ってるな」っていう列車がありました。

高井 だから、結構、脱線もしてるんですよ。日本でも年間に数件の脱線事故が起こっているんですが、そのような国では頻発しています。

堀江 中国とかも大変ですよね。

高井 そうですね。高速鉄道が高架橋から落ちたことがありましたね(編集部注:2011年7月、中国浙江省温州市で、落雷のため止まっていた先行列車に後続の列車が追突して、高架橋から車両が落下する事故が発生)。

堀江 あれは、すごかったですよね。落ちた列車を埋めちゃったりして。

高井 あれは、専門的な見方をすると高速鉄道区間ではない場所での事故ですよね。

堀江 え、そうなんですか? じゃあ、在来線区間なんですか?

高井 そうです。在来線区間を高速鉄道が走っていて、信号のシステムがおかしくなって起こったんじゃないかと思います。

堀江 なるほどね。

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