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“リニア、満員電車対策、知能列車”…… 鉄道総研・高井秀之が語る 「最先端の鉄道システム」とは?前編2/2

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トンネル内を真空にして空気抵抗をなくすチューブ列車は可能なのか?

堀江貴文(以下、堀江) 例えば、イーロン・マスク(電気自動車メーカー「テスラモータース」や宇宙開発ベンチャー「スペースX」の創業者)が提唱しているチューブの中を真空にして、その中で列車を走らせる“ハイパーループ”みたいな次世代交通システムの研究などはやったりしないんですか?

高井秀之(以下、高井) は、リニアモーターカーの研究をしている時代に、ハイパーループと同じようなシステムの構想はあったんですよ。

堀江 あったんですか? そういう研究は昔からしてたんですか?

高井 ええ。発想としては昔からありました。鉄道は、飛行機と違って空気の濃い地上を走るので、高速化するには空気抵抗の問題をどう解決するかをいろいろと考えるわけですよ。

堀江 そうですよね。

高井 そうなると「真空にする」という発想が出てくるんですが、真空を保つのは非常に難しい。

堀江 鉄道総研さんでも、そういう実験をされたんですか?

高井 あまり具体的なところまではいってません。検討の段階までです。

堀江 やはり、真空引きするのが難しいんですか?

高井 真空というより、実際は減圧トンネルですね。問題は駅なんです。人が乗り降りするときにどうするか。

堀江 どうするんですかね。

高井 ですよね。だから、非常に難しいと思います。構造的にもトンネルの内側を減圧すると外側から相当な圧力がかかってきますし、車体の気密性を確保するためには飛行機と同じくらいにしなくちゃいけない。トンネルも車体も影響を受けますから、ちょっと何が起こるのか……。

ホリエモンWITH 堀江貴文 鉄道総研

堀江 何が起こるかわからない。

高井 ええ。そうしたチューブ鉄道の中には、重力鉄道というものもあるんですが……。

堀江 重力鉄道!?

高井 ようするに地下に穴を掘るんです。今いる場所から行きたい場所に向かって穴を掘ると重力で下に落ちていきますよね。それで列車がガーッと落ちて、ガーッと上がってくる。この穴を真空にしておいたら動力はいらないわけです。計算上は、地球のどこにでも40分くらいでいけるようになります。

堀江 それ、実際に作れるかっていったら、まず作れないですよね。そういう検討もされているんですか?

高井 研究所ですから、やはり未来の鉄道のようなものはずっと考えています。(高井注:参考文献「一九九九年 日本の鉄道」交通新聞社、1989年)ちなみに、今、車輪走行の鉄道の最高速度はフランスの高速鉄道のTGVが出している574.8kmなんですが、これは屋根のないところであって、トンネルの中ではそういうわけにはいきませんよね。

堀江 (車輪走行の)鉄道で500km/h以上出すって、すごくないですか?

高井 すごいんですよ。ただし、下り坂のまっすぐな線路でビューンと加速して出しています。

堀江 なるほど。でも、新幹線は営業運転でも時速300kmを超えてますよね。

高井 ええ。320km/hまでいってます。

堀江 東北新幹線でしたっけ?

高井 はい。中国が時速380kmまでやるって言ってましたが、私は当面は時速320kmくらいが合理的だと思います。それから先は、いろいろと問題が多くなるので……。

堀江 どんな問題があるんですか?

高井 日本の場合、一番は環境問題、特に騒音です。風切音は速度の6乗に比例するので、速度が速くなればなるほど音が大きくなります。現在の新幹線でも騒音対策は非常に苦労していますから。

 

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保

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