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マーケティングとITを駆使し、「便利で安いから乗りたい!」に変えていく。WILLER GROUP 村瀬茂高は、未来の公共交通を考える!前編1/2

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村瀬茂高(Shigetaka Murase)
WILLER ALLIANCE代表取締役社長
1963年生まれ。愛知県出身。1994年、旅行会社『西日本ツアーズ』を設立。2006年、西日本ツアーズを『WILLER TRAVEL』へ社名変更し、高速バス事業を開始。女性専用高速バスなどを運行させ、高速バスの革命児とも呼ばれる。2014年、『WILLER TRAIN』を設立し、鉄道事業をスタート。『京都丹後鉄道』の再生を目指す。

安全だけでなく、乗る人が最も望むサービスを提供する

堀江貴文(以下、堀江) 村瀨さんは、この4月からこれまで経営不振だった『京都丹後鉄道(旧北近畿タンゴ鉄道)』の運行事業を引き継いで、地方の鉄道にイノベーションを起こそうとしているんですよね。すごいなー。

村瀬茂高(以下、村瀬) 全然、すごくないですよ(笑)。実は、僕ら『WILLER ALLIANCE(ウィーラーアライアンス)』が、地方の鉄道事業を始めようと思ったのは、高速バス事業での成功経験があったからなんです。

堀江 というと?

村瀬 例えば、大阪から東京に移動する場合、今だったら「新幹線にしょうか」「飛行機にしょうか」それとも「高速バスにしようか」って考えますよね。でも、10年くらい前は高速バスで移動を考える人なんて、ごく少数だった。

堀江 そうなんですか。

村瀬 そうなんです。例えば10年くらい前、学生向けの企業説明会で、「この中で高速バスに乗ったことがある人?」って聞くと、200人中、1、2人くらいしか手があがらなかったんです。でも、今はほとんど全員が手をあげますよ。

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堀江 へー。

村瀬 それまでの高速バスは、男性が乗るもので若い女性が交通手段として想起する乗り物ではなかった。だから、高速バス『WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)』は、若い女性向けの市場を作っていったんです。高速バスの市場は、10年くらい前は約8500万人程度だったのが、この5、6年で1億人を超えました。それだけ、若い人を中心に利用者が増えたということです。

堀江 確かに、高速バス利用者は増えましたよね。

村瀬 それで、日経MJ(2014年11月5日付)にも記事が載りましたけど、高速バス会社では、僕らが売り上げ日本一になったんです(笑)。

堀江 どうやって利用者を増やしたんですか?

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村瀬 交通インフラは“安全なものを提供する”というのが基本ですけれど、僕らはそこに「こんなバスだったら乗りたいよね」っていうマーケティングを持ち込みました。若い女性だったら「男性と隣同士になるのはいやだよね」とか「寝顔が見られないようなカーテンの仕切りがあったらいいよね」とか、「ビジネスマンだったら「スーツを脱いでゆっくりしたいよね。着替えられたらいいよね」など、属性に応じて、その人達が最も望むサービスを徹底的に提供していったんです。それが、これまでの公共交通とは大きく違うところです。

堀江 なるほど。

村瀬 それにインターネットもうまく利用しました。ネットの特性って、商品の比較が簡単にできることです。ですから、日程によって運賃を変動させたり、「このバスは、こんなシートなんだ」「こんなサービスがついてるんだ」ということが比較できて、すぐにわかるようにしたんです。それによって、お客様がバスを選べるようになった。この“選べるようになった”というのがとても大きいと思います。

 

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