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メタップス佐藤航陽が考える“通貨の未来”とは?その1

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

企業が通貨を発行し、国家と競合する時代がやってくる。

現在、手数料0%のインターネット決済サービス「spike」を準備中の若き起業家・佐藤航陽氏。近い将来「通貨はなくなり、価値と価値が交換されるようになる」という。その理由と真意をホリエモンが聞き出した。

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

堀江貴文(以下、堀江) 僕は今日、佐藤さんにBitcoinなどの仮想通貨を含め、“通貨の未来”をどう考え、どう変えようとしているのか聞きたいんですよ。

佐藤航陽(以下、佐藤) 今、世界の基軸通貨ってアメリカのドルですよね。経済は今、どこかの国が発行する通貨にコントロールされています。でもインターネットは、今の世界にもうひとつ別の世界ができたようなものじゃないですか。だから、今の世界の通貨の仕組みにインターネットのビジネスを組み合わせることは、すごく難しいと思っています。現在、“情報”はGoogleなどで世界中から誰もがアクセスし入手できるようになっていますし、“人とのつながり”はFacebookなどによって国家に関係なく出会えます。でも、“通貨”だけは、いまだに国が独占しているんです。だから“テクノロジーで通貨の仕組みをいかに変えるか”っていうのが、私のこれから10年の一番大きなテーマなんですよ。それを変えられない限り“インターネットが世界のシステムを作り変えた”とは言えないと思いますし。

堀江 でも、通貨発行権って国家主権の一部ですよね。

佐藤 なので、「今後10年は、国家と企業が競合になるよね」っていう話をよくしてます。例えば今AmazonとかAppleに対して、アメリカが「おい税金納めろよ」って言ってるのは、彼らがどこの国の企業かがわからなくなってきて、国と競合する組織になっているからなんです。私は、今後は企業や組織がそれぞれの通貨を発行して、自分たちの経済システムを作るようになっていくんじゃないかなと思っています。楽天やLINEは、小規模なものをすでに作っていますよね。これが世界中に拡大していったら、国は企業や組織の資産をコントロールできなくなるんじゃないかなと思います。

堀江 ということは、国家は通貨発行権とか徴税権というのを失っていくということですね。

佐藤 そうですね。「国家っていう単位自体が古臭いもの」っていうのは、ちょっと言い過ぎかもしれないですけど、国境が存在してるだけであって、経済の起点でもなければ、たぶん政治の起点でもなくなるんじゃないかなと思います。そして、今から200年くらい経つとAmazonとかGoogleとかFacebookみたいな企業が、国家と同じような存在になってるでしょうね。すでに小国はアメリカのインターネット企業よりも遥かにプレゼンスが低いですよね。ヨーロッパも国自体が崩壊しそうな時代じゃないですか。だとしたら、そうした国の通貨の信用は意味のないものになってるかなと。私は最終的に一番優れた経済システムをつくった企業や組織に多くの人が集まってくると思うんです。だから私は、そのフレームワークを作ろうと思ってるんですよ。

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堀江 でも、そのフレームワーク化するための技術っていうのは、今でもすべて揃ってると思うんですよ。たとえばカード決済のSquareレジはめちゃくちゃ簡単ですよね。そういう技術を導入しない手はないと思うんです。個人経営の高級な飲食店なんかに行くと、「うちはカードはダメ。現金のみなんだよ」みたいなことを言うことがあります。だから僕は、「でもね大将、SMBCに口座を持ってたら、2営業日後に入金されるんだし、手数料はたった3.25%なんだから、お客さんのことを考えたら、Squareでカード決済したほうが良いんじゃないですか? 今すぐ登録できますし」って言うんですが、やろうとしないんですよ。

佐藤 それは、社会に浸透する時間の問題だと思うんです。人間って今までの行動を変えるのは苦痛じゃないですか。私は、彼らが自分たちの習慣を変える苦痛を上回る価値が提供された時が、通貨の仕組みがガラッと変わる時なんじゃないかなと思うんです。

堀江 どんな価値が通貨の仕組みを変えるポイントになると思いますか。

佐藤 たとえば、さっきの個人経営の飲食店などの決済に関しては、それがフィーなんじゃないかなと思ってます。

堀江 もしフィーが0%だったら、その個人経営の飲食店もカード決済をすると。じゃあ、spikeはそうした店も対象にしていくと。

佐藤 むしろ、そういう人たちが対象ですね。大企業で2000億円とかのトランザクションを持ってるところは、私たちの顧客ではないと思ってます。彼らはVISAやMasterCardと直接、取引をすると思うんですよ。そういうとこじゃなくて、今までフィーが高かったから使いたくなかった、「5%~10%手数料を取られたらやってらんないよ」っていう人たちこそ、私たちの対象なんです。あとは個人ですね。お金を移動させるのに「銀行口座教えて」みたいな人たちを最終的にはFacebookだったりTwitterだったりLINEだったりで、「今から堀江さんに10万円送りますね」って言った瞬間に送れたり。ボタンひとつで送れれば、もう少し普及してくるんじゃないかなと思いますね。

堀江 今は移動の仕方が古いんですよね。

佐藤 ATM自体が古いですからね。だから、私たちがspikeでやることは、ウェブ上にATMを無数に設置するっていう行為に近いのかなとも思ってます。しかも、それが無料で使えるんです。