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メタップス佐藤航陽が考える“通貨の未来”とは?その3

日本だけでなく、今、世界中が既得権益を守ろうとしている。

堀江 ところで、spikeのほうはいつぐらいにリリースされる予定なんですか?

佐藤 spikeは今、最後の調整をやっています。日本はどうなるかわからないですけど、アメリカでは今年前半くらいから動けるかなと思っています。カード決済って、国によってレギュレーションが違うんですよね。これが結構、面倒くさいんです。

堀江 どのへんがダメなんですか?

佐藤 Squareも米国のサービスをそのままでは提供が難しく、SMBC(三井住友銀行)グループなどの現地企業と提携しながら実現させています。日本では、事前に信用が把握できない小規模な事業者がカード決済すること自体が慣習上NGな傾向はあります。アメリカは事後的なチェックが厳しいのである程度はOKなんですけどね。

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

堀江 それって、法的にダメだという話じゃないんでしょ?

佐藤 レギュレーション上、ダメという話です。なので、既存の企業との資本提携みたいな形でまとめなければならない場合もありますね。

堀江 規制ではないんですよね?

佐藤 法的な規制ではないです。

堀江 僕はインターネット決済の黎明期の頃から知ってるんですけど、日本でインターネットのクレジットカード決済は、長らくできないだろうっていわれてたんでよ。でも、『サイバーキャッシュ』っていうアメリカのネット決済会社が、日本のソフトバンクグループと日本法人を作って、その頃、人気絶頂だったglobeのインターネットライブチケットを売った。それが日本初のネット決済だったんですよ。そのプログラムを作ったのが僕なんです。

佐藤 カード決済って、日本だけ独自の規格なんですよね。

堀江 CAFISですね(NTTデータが提供しているカード決済総合サービス)。1985年に公衆電気通信法が電気通信事業法に改正されて、電電公社が民営化されたんですけど、その時の電電公社のデータ通信部門(今のNTTデータの前身)のものが、いまだにずーっと使われてるんです。それがCAFISっていう規格ですね。

佐藤 それがあるがゆえに、今のカード決済のパーセンテージは高くなっちゃってるのかもしれませんね。

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

堀江 CAFISの上に乗せちゃうんでね。

佐藤 他の国でも決済代行会社の政治的なつながりみたいのが、ハードルになるケースもあります。一応、その国の企業以外、決済の代行を請け負っちゃいけないみたいなレギュレーションがあるんですよ。

堀江 それはクレジットカード会社の内規ですか?

佐藤 VISAやMasterCardが作っているルールみたいなものです。ただ、多国籍企業の場合はコントロールが不可能なので、GoogleやAmazonみたいな会社は、おそらくどの国でも決済できてしまっていますね。

堀江 VISAはアメリカ全土の銀行が共同出資して作った会社ですからね。

佐藤 で、彼らが決めたルールが世界規格になってる。

堀江 つまり銀行の既得権益を守らなきゃいけないような感じになってると。

佐藤 まさにその通りだと思います。どの企業に権限を与えるかっていうことをルールを作った人が全部決められるので。ただ、今後はクレジットカードだけが決済の手段ではなくなってくると思うので、あんまりこだわりはありません。今はカード決済をやっていますけど、これまでお話したように私は、最終的にお金というか、価値がシームレスに移動できればそれでいいんですから。