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「記憶は人為的に書き換えられる」富山大学大学院教授・井ノ口馨が語る 「脳のしくみ」と「記憶」と「自我」前編4/4

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脳のタンパク合成を阻害すると記憶は弱くなる

井ノ口 実は、しっかりと覚えている記憶も、思い出した瞬間に不安定になるって知ってます? こんな実験があるんです。マウスにある強烈な恐怖を与えます。すると、その恐怖記憶は、1回の体験だけでも一生覚えているわけです。でも、その恐怖体験をもう一度思い出した時にマウスの脳の中でタンパク合成を抑えてやると、マウスはその恐怖の記憶を忘れちゃうんです。

堀江 ああ……。

井ノ口 だから、人間でも以前にトラウマになるような強烈な記憶があった場合、その記憶を思い出している時にタンパク合成を阻害すると、その記憶は弱くなる。

堀江 それ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に役立ちますよね。

井ノ口 そうなんです。今、やりつつあるんですけど、人間の場合はいろいろと難しいんです。患者さんが、その記憶を思い出すのをものすごく嫌がったりしますから。

 

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保