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「ナノカプセルが体中をめぐり、 知らない間に診断と治療をする」 東大・片岡一則教授が語る “ナノ医療”の現状と未来 前編2/2

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がん治療を入院から通院に変える

片岡 じゃあ、「血管に隙間があるところはいいけれど、隙間がないところはどうするんだ」っていう話になりますよね。

堀江 がん細胞の血管には、隙間が必ずあるんですよね。

片岡 ほとんどのものにはね。

堀江 ないやつがあるんですか?

片岡 例えば、脳腫瘍。脳の血管ってすごくバリア性が高いんです。血液脳関門っていうんですけど、脳には物質が入らないようになっている。だから脳腫瘍になっても、血管の隙間からがん細胞に入ることができない。

堀江 へー。

片岡 そういう時には、ナノカプセルに“分子バーコード”をつけるんです。がん細胞のある血管の内側に結合するような小さな分子をつけちゃう。そして、薬をがん細胞の中に送っていく。マウスの頭の中にがんを植えて実験したら、これが非常によく効きました。

堀江 すごいですね。

片岡 じゃあ、腫瘍ではない脳にも利用できないだろうかと。

堀江 なるほど。

片岡 そうるすと今度は、がんじゃなくてアルツハイマーなどの治療もできるようになるわけです。最近はそこまで研究を進めていて、ある程度、アルツハイマーの原因を作る酵素の遺伝子をノックアウトするという実験にも成功しています。

堀江 じゃあ、アルツハイマーの治療もすぐじゃないですか。

片岡 それが我々の大きな目標のひとつなんです。もちろん、がんもまだまだやることがいっぱいありますが……。

堀江 がんのナノカプセルは臨床応用されているんですか?

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保