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「鋼ほどの硬さのガラス」を開発 東大・増野敦信助教が語る最新のガラスの秘密とは?2/2前編

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宇宙実験用の技術を応用している

堀江 こうやって浮かせる方法だと、なぜ今までできなかったガラスができるようになるんですか?

増野 浮かせることの一番のメリットは、結晶化しにくいということです。通常、容器の中でガラスを作ると簡単に結晶化してしまいます。どこかに接触していると、そこからニョキニョキと結晶が生えてしまうんですよ。

堀江 へー。

増野 それが浮かせてどこにも接触していない状態だと、結晶化しにくいんです。その結果、ガラスになりにくい成分でもガラス化することができるようになる。

堀江 なるほど。今まで、浮かせて作るやり方を誰もやっていなかったというのは、なぜなんですか?

増野 もともと、この技術自体はガラス材料を合成するのとは全然関係ない技術なんですよ。作成方法が普通とは違いすぎるので、ガラス会社は手を出していませんでした。

堀江 そうなんですか。じゃあ、この技術で何を作っていたんですか?

増野 作る技術じゃなくて、「観察する」技術です。

堀江 へー。

増野 もともとは宇宙実験用の技術だったんですよ。無重力状態で浮いている液体を観察するという技術です。今、国際宇宙ステーションの中に日本初の有人実験施設「きぼう」がありますが、2015年8月、「きぼう」にこれに似た装置が打ち上げられました。物性計測をする実験が行われているはずです。

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堀江 どんなものを測るんですか?

増野 基本的には、表面張力とか粘度とかを測ります。この実験は、すごく重要なんですよ。鉄鋼やガラスは液体から作りますが、その際に液体の粘度の温度依存性がしっかりわかっていないとシミュレーションができません。

堀江 粘度って、どうやって測るんですか?

 

 

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Photograph/Edit=柚木大介 Text=村上隆保