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ホリエモンWITH「新しい体験を創り出す」ヴァーチャルを超えた体験を現実に。代替現実システム(SR)研究者、藤井直敬 その3

SRT

あの頃に戻れる。SRはタイムマシンに。

藤井 SRは離れた時間と場所を共有させてくれるんですね。タイムマシンって時間と場所を飛ぶじゃないですか。過去の出来事を再現することだけで考えると、SRはよく言うタイムマシンの要件を満たしていると言えなくもない。

堀江 なるほど。だから過去をずっと記録しつづけるといいんですよね。部屋の中に「RICOH THETA」みたいなカメラをずっと置いておいて記録し続けていれば、10年前のその部屋に戻れたりしちゃうんですね。あたかもそこに居るみたいに。あ、いいですねぇ。

藤井 いいですよね。例えば、小さい子供のいる家庭なんて特に。

堀江 子供が生まれたら、それをずっと同じ部屋で動画を記録し続けておけば、成長の過程の中で、映像ではなく体験として、いつでも数年前のあの頃に戻れるみたいな…。

藤井 5年前の子と今の10歳の子供が一緒に並んで写真を撮るとか、そんなことが簡単にできたり。死んじゃったおばあちゃんが気がついたら横に立ってるとか、それはちょっと怖いけど(笑)。差分だけ撮っても良いので、データ量もそんなに掛からないと思いますし。

堀江 同じ部屋を用意しておいて、そこでずっと撮っていたら楽ですよね。差分なんてホント少ないですし。

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藤井 そうですね。夜なんか何も変わりなかったら、データは最初と最後だけでいいですしね。また、定点観測をずっとし続けることで、それは歴史になりますよね。家の記録は自分の家の歴史で、パブリックな場所の記録っていうのは公的な歴史になる。

堀江 ストレージがもっと安く、沢山、色んな所にできるといいですよね。ずっと記録し続けるってことが大事だってことですもんね。だから「Dropbox」の時価総額があんなに大きくなるのか(笑)。

藤井 今「Dropbox」とかに残してる記録っていうのは特定の人に価値のあるものだけれども、パブリックな場所でパノラマでずっと撮り続けるという事は、後の人たち全てが使える意義のあるものになる。そういった皆の財産になるような、消せない記録を残していきたいですよね。後から入ってきた人は先に始めた人との時間差分のデータの差があるので、早い者勝ちです。

堀江 そうか、早いとこ撮っておかないと。どういうところで撮っておけばいいんですかね?

藤井 そうですね、それはちょっとわからないですけど、現在のインターネットというか、いわゆるGoogle的なデータベースって言語的な意味空間じゃないですか。だけど、時間と場所の情報というのはあんまり無い。パノラマを定点で撮るっていうのは、時間と場所、それに出来事の情報記録になるんですね。そしてその歴史の記録はSRを使えばだれでも後から体験し経験できるわけです。

堀江 渋谷のスクランブル交差点とか撮り続けたら面白そうですよね。

藤井 タイムズ・スクエアだとか、砂漠の真ん中も面白いかもしれませんね。そういうのをずっと撮り続けていれば、時間と場所のアーカイブ分だけ、いつのどこに行くってできるようになりますからね。

堀江 それなら光線情報とかも全部取りたいですよね。

藤井 うん。ただ、情報量が膨大だから難しいかもしれないですけど。

堀江 情報量は膨大でも、可能なら撮っておきたいところですね。

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藤井 あとは、それをどれだけ効率よく圧縮できるかっていう技術開発でしょうね。

堀江 たしかに既存の技術でも相当なデータ量になりますよね。でも、やりたいなそれ。そういうカメラもないからなぁ…。

藤井 好きな時間を選んで、自分がそこにいたかのような経験ができるのであれば面白いなって思います。本当のタイムマシーンだったら、過去とインタラクションしたら未来が変わるから困るけど、体験するだけなら未来は変わらない。SRでは未来を変える事を気にせず過去に戻れる。インタラクション自体を求めない前提で。

堀江 やっぱり、宇宙に飛ばしたいですね。

藤井 宇宙はすごくいいと思う。ISSとかに一台小さいパノラマカメラを積んでおけばいいですし。

堀江 ISSに入れておくのは、いいかもしれないですね。

藤井 ですよね。ISSの外側にちょっと大きい「THETA」みたいなカメラが付いてて、記録したりストリーミングしてくれたらいいよね。1時間くらい撮れば世界一周できるのなら、後はハードディスク持って帰ってくるだけですよ。一周すれば、あとは大体繰り返しなので。

堀江 じゃあ、宇宙旅行には必ずパノラマを!でも、別にISSに乗っけなくても、衛星で一発ぐるっと回して持ち帰ればいいですね。

藤井 落ちてきたら拾えばいいからね(笑)

堀江 デジタルデータを転送する方法でも全然問題なくできるかもしれないので、それ1つのプロジェクトとしてやりたいですね。

藤井 そういうエクストリームな体験をいくつか作ると、その途中に落とし所が見つかるんじゃないかなって思ってる。