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「 集積回路と一緒に 開発したのが良かった」東工大・益一哉教授が語る MEMS(微小機械)の進化とは?1/2前編

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益一哉 Kazuya Masu
東京工業大学・科学技術創成研究院院長
1982年、東京工業大学理工学研究科博士課程修了後、東北大学助手、助教授を経て、2000年に東京工業大学教授に。2016年から現職。

MEMSの進化により、ドローンやロボットが注目を浴びるようになった

堀江貴文(以下、堀江) 今日はよろしくお願いします。

益一哉(以下、益) こちらこそ、よろしくお願いします。実は私、今、名刺が2枚ありまして、ひとつは東京工業大学の研究所があらたまって2016年度からスタートした「科学技術創成研究院」の院長という立場です。そして、もうひとつは、その研究院にある4つの研究所(未来産業技術研究所、フロンティア材料研究所、化学生命科学研究所、先導原子力研究所)と2つの研究センター(先進エネルギー国際研究センター、社会情報流通基盤研究センター)の中の「未来産業技術研究所」の教授という立場です。

堀江 はい。

 そして、この未来産業技術研究所を「ファースト(FIRST/Laboratory for Future Interdisciplinary Research of Science and Technology )」と名づけました。

堀江 「ファースト」ですね。

益 この、ファーストのことを宣伝できれば、今日の私の仕事の半分は終わったも同然です(笑)。

堀江 いやいやいや……。実は今日は、「メムス(MEMS/Micro Electro Mechanical Systems=微小電気機械システム)」についてお聞きしたいんです。一般の人って、メムスのことをあまり知らないと思うんですよ。例えば「なぜ最近、ドローンが流行っているのか」とか「ロボットがこれだけキテるのはなぜなのか」とか。これって、実はメムスがすごく関わっているじゃないですか。

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 そうですね。

堀江 だから、メムスについての大きな流れを一度、確認しておきたいと思ったんです。

 わかりました。一般の人にとって一番身近なメムスというと、スマホの中に入っている“加速度センサー”ですかね。

堀江 そうですね。でも、加速度センサーが最初にiPhoneに搭載された当時(2007年)は、あまり話題になりませんでしたよね。「加速度センサーっていうのがついているけど、なんの役に立つの?」みたいな感じで。それが加速度センサーを利用した面白いアプリが出始めると一気に注目されました。

益 加速度センサーで人間の体の動きを測って、体調を管理するアプリとかが出ましたよね。

堀江 ええ。ノンレム睡眠とレム睡眠の状況がわかる「スリープサイクルアラームクロック(Sleep Cycle alarm clock/2009年リリース)」っていう睡眠アプリはすごくヒットしました。それから、先日この連載でお会いした慶応義塾大学の木村雄弘教授の「ハートアンドブレイン(Heart & Brain/不整脈と脳梗塞の早期発見のための臨床データ収集アプリ)」も加速度センサーやジャイロスコープ(角速度センサー)を利用しています。

 そうなんですね。いろいろなアプリがあるのは知ってましたが、そのアプリは知りませんでした。

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