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ホリエモンWITH「この際、オリンピックだからやっちゃいましょう」 竹中平蔵氏に聞く、経済再生と東京の未来とは?その1

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竹中平蔵(Heizo Takenaka)
公式サイトhttp://www.takenaka-heizo.com
1951年生まれ。和歌山県出身。日本開発銀行、ハーバード大学客員准教授、慶応義塾大学総合政策部教授を経て、2001年、民間人として経済財政政策担当大臣に。2002年、金融担当・経済財政政策担当大臣。2004年、参議院議員に当選し、経済財政政策・郵政民営化担当大臣。2005年、総務大臣・郵政民営化担当大臣を歴任。現在、産業競争力会議メンバー。

景色が変わることで、景気も変わる。

竹中平蔵(以下、竹中) いきなりですけど、堀江さんは、もう一回、選挙に出る気ないんですか?

堀江貴文(以下、堀江) この間の東京都知事選の時にも誘われましたけど、今はテクノロジーで世の中を変えていった方が早いんじゃないかって思ってるんですよね。

竹中 私は、堀江さんってパワーがあって、発信力があるから、いろいろ期待してるんです。

堀江 ありがとうございます(笑)。

竹中 2020年に東京でオリンピックがありますよね。で、前回の1964年に東京オリンピックがあった時、私は中学2年生でしたけど、すごいワクワクしたんです。あの時は、まだ戦後20年しか経っていなかったけど、戦争で焼け野原になった日本が、「こんな立派になったんだぞ、みんな見てくれ!」っていう高揚感みたいなものがあったんですよ。それで、あの頃のことをいろいろ聞いてみると面白くってね。たとえば、おしゃれなお店が建ち並ぶ青山通りっていうのは、オリンピックがきっかけでできたそうです。

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堀江 へぇ〜!

竹中 オリンピックのために大規模な拡張工事が行われて、道路が整備されたんですね。当時、あのあたりは都心から外れてたので、まだ地価が安かった。そこで、若者向けのお店がいっぱいできた。それがきっかけになって、時代の先端を行くおしゃれな青山通りになったんです。また、代々木には選手村が作られたんですけど、選手村では世界から集まってくる選手のために、世界各国のいろいろな料理を出さなければいけない。それがきっかけになって、冷凍食品の技術が発達したんですね。それから、オリンピックが始まるとVIPがたくさん東京にやってきますよね。そのため要人警護というビジネスが始まった。私たち世代の人はみんな知ってるんだけど、『ザ・ガードマン』ていうドラマが人気だったんです。

堀江 『ザ・ガードマン』って知ってますよ。

竹中 オリンピックって、街の様子や住んでる人たちのライフスタイルを変えるんです。で、ライフスタイルが変わると必ず新しい文化や技術や産業が生まれる。そういうところに堀江さんみたいな人が協力してくれたら面白いと思うんですよね。

堀江 ライフスタイルが変わるというのは、僕の中ではVR(仮想現実)とAR(拡張現実)なんですよね。2020年のオリンピックでも、多分、そのへんがキーになってくると思います。

竹中 なるほど。

堀江 あと6年後ですよね、ギリかなあ。VRやARはインターネットを超えるテクノロジーなんじゃないかって思ってるんです。

竹中 インターネットを超えるんですか!?

堀江 はい。僕は、インターネットに出会った時の高揚感に近いものを感じてるんですよ。

竹中 へぇ、面白いなぁ。

堀江 今、『オキュラスリフト』っていう、ヘッドマウントディスプレイにセンサーがついてて、360°どこを見ても3Dでモデリングした景色が見えるようなシステムができたんです。これは開発環境がオープンになって、3Dのモデリングデータとかが安価に売られるようになったからなんですよ。たとえば、「中世の街並10ドル」みたいに売られてるんです。

竹中 へぇ〜。

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堀江 そして、『オキュラスリフト』ができたことによって、インディーズゲームの開発者が出てきて、今、世界的にVRブームがきつつあるんです。で、たとえば、オキュラスに2台のカメラをつけて視線移動をすると、その現実が簡単に3D合成できたりするんですね。すると、本当の意味でのARが可能になったりするんです。

竹中 そうか。すると、どこにでも行けるわけですね?

堀江 ええ、テレイグジスタンス(遠隔存在)的なことができますよね。

竹中 テレイグジスタンス。なるほど。すごい話だな。たしかにバーチャルリアリティっていうのは衝撃的ですね。っていうのは、私はずっと「“景色”を変えよう」と言ってるんです。“景気”っていう言葉がありますよね。景気がいいとか悪いとか。その“景気”に相当する英語って、ないんですよ。

堀江 そうなんですか?

竹中 景気循環って“ビジネスサイクル”っていうんですけど、“景気”と“ビジネス”って違うじゃないですか。じゃあ、“景気”っていう言葉は、いったいどこからきたのか。これはね、元日銀総裁の速水優さんから教えていただいたんですけど、鴨長明の『方丈記』に出てくるんですって。景気っていうのは“空気の景色”のことなんです。いわゆる“雰囲気”なんですね。

堀江 Atmosphereってことですね。

竹中 そうです。だから「景気は気から」っていうのも、あながち間違ってないんです。私が最近よく言っている「景色を変えよう」というのもそういうことで、東京の街の景色(雰囲気)が変わったら、景気も変わるよねって。要するに、何か目に見えるものを変えようということです。でも今のバーチャルリアリティの話だと、実際の景色を変えなくても、景色を作り出せるっていうことですよね。

堀江 そうですね。