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堀江貴文×村上世彰対談 vol.2

ウサイン・ボルトは社会に必要?

村上 では、AIの時代になった時に一番価値のある人間ってどういう人なの?

堀江 みんなよくそういう質問をするんですけど、AIに人間の仕事が奪われるとかそういう以前の問題で。例えばじゃあウサイン・ボルトは社会にとって必要か。どうですか?

村上 別に必要ないけどカッコイイよね。

堀江 かっこいいし、高収入でしょう。でも、100メートルをいかに速く走れるというのは、実社会では全く役に立たないスキルじゃないですか。だって、彼より速く走る手段はいくらでもあるわけで。バイクに乗れば、ウサイン・ボルトなんか一発で抜けますよね。ウサイン・ボルトは馬より遅いんだから、速く走るという部分では、もう1,000年以上前から要らないんですよ。でも必要とされているじゃないですか?それが未来ですよね。

村上 ん?よく分からない。

堀江 ウサイン・ボルトは馬がいる社会では実用としては必要のない人間なんですよ。要らないのにいる。2,000〜3,000年前だったら完全に無駄だったことが今、必要とされている。だから、そういう無駄なものがどんどん出てくるわけです。今の基準では「無駄だよね、これ」っていうものがこれからどんどん必要なものとして出てくると思います。

村上 たぶんみんなわかったようで分かってない。

堀江 例えば自動運転もやはりAIの進化によってどんどん現実のものになってきている。すぐ先にある自動運転の時代になると、おそらくどこかの国が市街地では自動運転以外の車を走れなくするといったレギュレーションを決めるようになるんです。そうすると、今街中を馬で走っている人がいないように自動車を運転する人はいなくなるわけです。でも、カーレーサーっていう職業は絶対残ると思うんです。それは競馬の騎手が残っているように。とは乗馬を趣味にする人がいるように、自動運転の時代になって人が車を運転しなくなっても、サーキットでは相変わらず人間が運転する車が走っていると思います。

村上 それってショービジネスということ?

堀江 はい。だからエンタメとかショービズはこれからヤバイですよね。

 

 

Text/Edit=柚木大介 Photo=榎本麻美/文藝春秋