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ホリエモンWITH 「米を23%まで磨き、日本一を目指して造った獺祭」桜井博志が語る日本酒純米大吟醸のこだわりとは? その1

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“一番良い米で、一番良い技術を使って、一番良い酒を造ればいいじゃないか”

堀江貴文(以下、堀江) あれは7〜8年くらい前ですかね。僕、『獺祭』が都内の和食屋さんで幅広く扱われ始めた頃に「これは、うまい酒だ!」って注目してたんですよ。

桜井博志(以下、桜井) ありがとうございます。一時期、“和食にワイン”って流行っていたじゃないですか。その時に僕たちは「和食店が日本酒を捨てたら、日本酒に将来はない!」と思って、一生懸命、獺祭を置いてもらうようお願いしていたんですよ。

堀江 僕は、例えば“鴨を食べる時に赤ワインを飲む”とか、そういうのはありますけど、和食を食べる時には、わりと日本酒を飲むほうなんですよ。和食なのに、わざわざワインを頼むっていうことはあんまりないですね。

桜井 それが自然な流れですもんね。

堀江 僕、日本酒は20年くらい前、大学生の頃から飲んでるんです。当時はちょうど『夏子の酒』っていう漫画が流行ってて、ドラマ化もされたりしたんですよね。それで、純米大吟醸の4合瓶みたいなのを買って飲んでました。あの頃、日本酒ってブレークしてましたよね。

桜井 そうですね。その後、一時期、落ちましたけど。

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堀江 それで、10年くらい前に、浅草の酒屋さんがやってる立ち飲みバーで日本酒の会みたいなのがあるからって、呼ばれて行ったことがあったんです。そこで、僕、初めてワイングラスで日本酒を飲んだんですよ。日本酒もワイングラスの形によって香りの立ち方がぜんぜん違うんですよね。それから、お燗の温度でもぜんぜん味が違う。昔は“燗番”がいて、お酒の燗の温度とかを厳密に管理していたけれど、今は機械39℃だったら39℃って設定するんです、みたいな話を聞いたりしました。その頃に、たぶん獺祭も飲んだんじゃないかなと。だって名前がインパクトがありますもんね。

桜井 ちょっと珍しい名前ですよね(笑)。

堀江 これ、すでに名前勝ちみたいなもんでしょ。

桜井 でも最初は、みなさんから怒られたんですよ。「だっさい」って、小さい「つ」が抜けたら「ださい」でしょ。変な名前をつけたなって言われました。今は獺祭という漢字にローマ字で「DASSAI」って読みがなが入ってるんですけど、昔はひらがなだったんですよ。「だっさい」って。

堀江 でも、獺祭って、すっごい印象に残る言葉ですよね。

桜井 ありがとうございます。響きも良いですよね。

堀江 なんか土地の名前からつけたんでしたっけ?

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桜井 うちの会社(旭酒造)の地名が「獺越(おそごえ)」といって、獺(かわうそ)を越えると書くんです。だから、この地名から一字使いたかったんです。それと“獺祭”という言葉(編集部注:季節を表す七十二候のひとつ。かわうそが魚を捕らえて岸辺に並べる時期が来たこと。この様子が先祖を供養する祭りのように見えたことなどから名づけられた)を、正岡子規が別号として使っていたのを知って、子規といえば日本文学の革命児だし、あやかってコレだな!と思いました。

堀江 それに米を23%まで磨くっていうこだわりもすごいですよね。

桜井 最初から“日本一ありき”なんですよ(笑)。それまで精米歩合35%という純米大吟醸は、割とよくあったんです(編集部注:精米歩合35%とは、お米の65%を削り落とすという意味。削り落とす部分が多く芯に近いほど、雑味がないお酒が造れる)。さらに調べてみると、精米歩合28%というお酒を何社か出していたので、それを超えて日本一を目指すため25%のお酒を造ろうとしたんです。ところが、25%で進めていた矢先、灘に24%の精米の酒蔵があるということがわかって、新幹線のなかから電話して精米担当者に「日本一になるために23%まで磨いてくれ! 頼む!」って必死にお願いしました。