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ホリエモンWITH 星野リゾート星野佳路が語る日本の観光の未来とは。その2

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星野佳路と堀江貴文。それぞれの疑問とそれぞれの答え。

星野 アクセスの話で言うと、ぜひね、堀江さんに知っておいてほしいなって思う事があって。僕、東海の、大阪、名古屋に行くリニアってちょっと疑問視してるの。というのは、海外の人も日本人も、東海道新幹線にあまり不満がないんですよね今。海外の人なんか特に、新幹線を見て、あれだけのダイヤで正確に速く動いているというのに驚いているんですよ。不満は唯一、価格。リニアの開発って、不満のないスピードをもっと速くして、不満のある価格を上げようとしてるんですよね。ですから東海道新幹線に置き換える東海道リニアが本当に必要なんだろうかっていうのが、僕のまず1点目。2点目は海外の人も日本人も不満がある路線と言うと、ないわけじゃなくてあるんですよ。それは成田と羽田なんです。その二つの空港をリニアで結ぶと、10分ぐらいなんですよね。そうすると、ロサンゼルスの空港のターミナル移動よりも早いんですよ。成田と羽田が一つの空港として機能しちゃう。そこにこそ、リニアの利用価値があると思うんです。

堀江 僕からそこに関して言うと、もう成田は…。僕は羽田だけで。

星野 それができるならいいんですよ。滑走路の本数をあと2本ぐらい羽田に増やせてってことが実現するならいいし、確かにコスト的にはそっちの方がいいのかもしれない。

堀江 今、多分あれを阻んでるのは、結局成田を作った利権政治家が悪いんだけど、本当は多分作る必要なかったんですよね。

星野 成田は24時間であれば問題はかなり軽減すると思うんです。今は24時間にできないじゃないですか。おまけに遠いっていうのもありますけど、世界的に言えば移動を速くすればいいだけなので、むしろ滑走路の本数が2本しかないっていうのが問題なんですよね。

堀江 でも、増えないですよね、多分、成田。

星野 コロラド州にあるデンバー空港は3,000メートル以上の滑走路が6本もありますからね。やっぱり世界は滑走路の本数と離着陸できる時間帯の勝負ですよね。24時間対応の空港。そういう意味では確かに羽田空港はすばらしい。もう一本、リニアの路線で僕が提案しているのは、関空、大阪、京都。

堀江 関空も最悪の空港ですけどね。

星野 関空は日本で一番いい空港ですよ。どこら辺が最悪ですか?

堀江 やっぱアクセスの悪さですよね。

星野 だからリニアがいい。

堀江 そうなんですけど、あそこに作るべきではなかったですよね。

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星野 そういうことを言い出すと堀江さん、日本には98空港があって、今話してた、成田、羽田、関空は、まだまともに需要がある空港なんです。98のうちの大半が、滑走路のキャパといいますか、飛行機がもっと飛べるのに、飛んでくるのが少ない空港なんですよ。つまり需要がない空港なんです。

堀江 本当は、需要を作るべきなんですよね。

星野 そうです。関空のことだけ言うと、関空はね、2本の滑走路が日本で唯一まともにちゃんと離れてる空港なんですよ。世界水準で。3000メーター、2本そろっていて、同時発着可能で。それなのに関空の飛ぶキャパを落としている理由が何だと思います?

堀江 需要の問題ではないんですか?

星野 実は物理的な問題があって、関空から飛び立っていく先に、神戸空港があるんです。神戸空港の発着が障害になってるんですね。やっぱり、そういう意味では関空をあそこに作るべきじゃなかったという話ではなくて、問題は関空ってあれだけ立派な空港を作っておきながら、伊丹も神戸もあることなんですよ。要は上で重なっちゃってるんですね。上で重なると、向こうと連絡しながら飛ばないと危ないから、それで発着の枠を減らさざるを得ないというのがあるんです。

堀江 そうだとしても、そもそも論として僕は関空は作るべきではなかったと思いますよ。

星野 今からどうかっていうことはありますが、それを言っても僕らの時代にどうしようもないので、僕が思っているのは、少なくとも作ってしまったというか、作ってくれた立派な空港がいくつかあるんで、それをいかにうまく使って、日本の観光とか経済とか、利便性に役立てるかということを考えなくちゃいけないなと思ってるんですけどね。

堀江 僕は、成田羽田問題で言うと、確実に成田はLCC専用の空港にしちゃって、遠いけど、アクセス悪いけど、時間ある人はそっちから飛んでくださいって。ビジネスは羽田に寄せるべきだと思いますけどね。

星野 それは前田さんが大臣だった時に僕ら提案してて、一応そういう方向なんですよ。

堀江 今、いい方向になってますね。

星野 あっちにLCC専用ターミナル作って欲しいってことをずっと言ってたんですけど。それにしたって、海外から羽田に飛んでくる人や日本全国から飛んでいく人には不便なんですよ。なんとかあそこのアクセス。成田を残している限りは、やっぱり結ばないとマズいなっていうのは思ってるんですけどね。

堀江 でもいいんじゃないですか、成田は不便でも。

星野 乗り換えるのに?

堀江 乗り換えるのには、僕は不便でもしょうがないのかなって思いますけどね。

星野 そうすると何が問題になるかといいますと、東京は便利な都市になるんですけど、地方に行く人が減るんですよ、やっぱり。なぜかっていうと、東京は行きやすいけど、地方に行くのは行きにくいって言われちゃうんですよ。

堀江 東京からね。

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星野 東京から安く青森に飛びたい、安く島根に飛びたいっていう人は、わざわざ成田まで行かなくちゃいけないって、すごくネックになってるんですよ。

堀江 トランジットは良くないですよね。

星野 日本まで行くのはLCCが飛んでいたり、世界の航空会社が安くしてくれているからいいんですよ。日本に来たら安く、東京中心なのはわかるんだけど、東京から安く地方に行くにはどうしたらいいんだって。それはやっぱり乗り継ぎなんですよね。ですから、成田をLCCで残すなら、成田と速く結ぶ方法というのを。

堀江 結局、本当はもっと健全な競争がなされて、LCCがどんどん成田に就航して、っていうような流れになるべきだったんじゃないんですかね、本当は。わかんないけど。

星野 競争ってどことどこの?

堀江 要は、航空会社の競争。日本って本当のLCCってないじゃないですか、実は。ピーチは全日空ですし。

星野 成田、関空にLCC専用ターミナルを作ってほしい、LCCを日本に導入してほしいと僕は、2004年から言ってきたんですよね。それは実現したんだけど、カボタージュ規制ってあるじゃないですか。資本の5割以上が日本の資本じゃないと、航空会社は認めない、日本国内同士の空港は飛ばさせないという内容の規制なんですけど、その規制を緩和して欲しいとかいろいろ言い出した時があるんですが、実は世界でこの規制がない国はないんですよね。アメリカでさえもその規制があるんです。

堀江 需要を作るというところで、ビジネス客の話で言ったら、羽田と北海道辺りの空港結んで、ビジネス専用ジェットを飛ばしたら面白いのかなって思ったりしますね。僕は日本の空港って、実はプライベート機とかも含めてもっと活用できると思うんです。戦前は航空大国だったわけじゃないですか。戦後のアメリカの占領政策で、航空産業に従事するのを禁止するっていうのがあって、そこで結構技術が途絶えちゃってるわけで。本当に細々と日本の航空機メーカーも生き残ってはいますけど、もう死んでるも同然みたいなところがありますよね。みんな自動車メーカーに行って。飛行機を所有する文化みたいなものも、完全になくなっちゃってますし。もっとカジュアルな小型機がたくさんあってもいいんじゃないかなって思いますね。あと、鉄道が発達し過ぎちゃったっていうのもあるんですけど。

星野 98空港があって需要のない空港も多くある中で、今堀江さんが言ってる話は本当にその通りですよ。僕ね、佐渡島に行ってきましたけど、1便も飛んでないんですよ。すごく立派な空港で、もちろんいろんな公共工事も含めて作ったんですけども。1便も飛んでないというのは極端な例ですけど、それに近い空港はかなりありますよね。

堀江 本当は、もっと活用できるはずなんですよね。

星野 それを活用しないと、日本の地方アクセスってよくならないし、観光も本当の意味で盛り上がってこないんですよね。