ホリエモンが運用テクを公開。「僕は未来が見えるんです」
辻 堀江さんは、お金の運用に関してはどうしているんですか?
堀江 僕は完全にベンチャー投資ですね。
辻 ベンチャー投資が、リターンが大きいからですか?
堀江 そうですね。あと僕、結構、「未来はこうなる」っていうのが、わかるんですよ。たとえば、オン・ザ・エッヂの時に『ビットキャッシュ』っていう会社を600万円で買ったんです。
辻 600万円ですか、安い!
堀江 日本に電子マネーの時代がやってくるのは、間違いないわけですよね。それで、当時、日本に電子マネーのプレイヤーが何社あったかというと、『Webマネー』とビットキャッシュと、もう一社くらいしかなかったんです。で、Webマネーは結構バリエーションがついていたのでキツイなと思って、「じゃあ、ビットキャッシュいこうよ!」っなったら、赤字だったから「600万円でいいです」って。「ラッキー!」みたいな。
辻 そうだったんですか(笑)。
堀江 でも、5カ月くらいで黒字化したんですよ。あと、弥生もそうでしたけど、世の中はあまり評価していないんだけど、「これから来る」っていうのがあったりしますよね。
辻 今はどうなんですか?
堀江 今はスマホアプリ系ですね。だって、まだ半分近くの人がガラケーなわけじゃないですか。ガラケーユーザーって、スマホの便利さを知らないわけですよね。だから、ガラケーユーザーは、スマホアプリに絶対投資をしない。だけど、確実にスマホの時代になるわけじゃないですか。そうすると、アプリを使い込むはずなんですよ。今、新聞の部数ってすごく下がっているじゃないですか。あれは、たぶんスマホアプリの影響が強いと思います。ガラケーの時代より、ニュースが読みやすくなってきてますから。
辻 僕は、日経新聞のアプリとか見なくなっちゃいましたけど。
堀江 みんなニュースのまとめアプリを見るでしょ。
辻 ええ。
堀江 だから、僕はこれから来る分野にお金を使いたいなと思っているんです。
辻 ウェアラブルとかには、投資されているんですか?
堀江 いくつか種を蒔いてるって感じですかね。ウェアラブルよりも、VR(仮想現実)とかAR(拡張現実)とかに興味があるというか……。今、VR系の展示会みたいなもののプロデュースをしているんですよ。そこで、面白そうなものを見つけようかなと思っていて、ただ、VRデバイスの『Virtuix Omni』には、投資しましたね。特殊なブーツをはいて、ルームランナーみたいなのでVRの世界を360度動き回れるんですよ。よく、「堀江さんはインサイダー情報とか持ってるんじゃないですか?」って聞かれるんですけど全然、持ってないんです。
辻 アハハハ。そうなんですか?
堀江 そうですよ。Omniだって、ふつうにVR系の人のツイッターを見てて、「ここ、投資できるんじゃない? ちょっと聞いてみて」って、うちのスタッフに連絡してもらったら、ちょうどシード(会社設立前や設立直後)のラウンドが終わるとことで、うまく入れたんですよ。だから、僕の持ってる情報なんて、別に誰でも手に入る情報です。SNSやニュースアプリを見ているだけです。それ以上でも、それ以下でもなくて、後は行動を起こすかどうかなんですよ。
辻 要は、公開情報をどう読み解くかですね。情報インテリジェンスです。
堀江 そうです。情報をどう分析するか。たとえば、「VRとかARの市場って、パソコンが出たての頃に似ているよね」って、そういう類型化ができるかどうか。歴史をひもとくと、パソコンが出たての頃って、いろんなパソコンメーカーがいろんな種類のパソコンを出していましたよね。それで、最終的にはIBMのPCに収斂されていった。結局、IBMPC互換機というビジネスになっていったということを考えると、今後どうなるかがわかるんです。
辻 未来が見えるわけですね。
堀江 ただ、今はあの頃と違って、キックスターターとかクラウドファンディングとか、ベンチャーのファイナンス市場もできてきた。だから、前だったらオキュラスがVR が出て、その後、ソニーが『モーフィアス』を出したら、ソニーに張るみたいな感じだったのが、今は、ソニーじゃないなってなる。
辻 本当に、今は情報があふれていて、お金も出やすい環境になりましたよね。でも、就活をする学生たちは、いまだに「銀行にいきたい」とか言うじゃないですか? やっぱり未来が見えてないんですかね。
堀江 それを言うなら、「何で学校に行ってるの?」って僕は思うんです。
辻 ああ、本当に優秀な人は学校に行かなくてもいいですもんね。
堀江 今はオンラインですべての勉強ができるので……。
辻 英語とプログラミングは必須だなと思います。英語が読めるだけでかなりの情報が入ってきますし、プログラムができればサービス自体もつくれちゃう。
堀江 今、僕がVR系のビジネスというか、ムーブメントをやっている人たちも、「大学に行っている意味がよくわからないので、中退しました」みたいな人たちが多いですもん。
辻 自分たちで何かをやっていこうという人は、大学を中退する人が多いですよね。どこかで気づくというか……。
堀江 ITの世界でも、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツも中退ですからね。「大学なんてバカバカしくて行ってられるか!」って人ばかりですよ(笑)。
辻 本当にそうですね、僕もMBAなんていっちゃって恥ずかしい限りです。(笑)
次のページに続きます。話はさらに深く。。。