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ホリエモンWITH 「Ai導入と情報開示を!」 チーム・バチスタの海堂尊が考える “死因究明の未来”とは?前編1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 海堂尊

海堂尊(Takeru Kaido)
医学博士。小説家。1961年、千葉県生まれ。外科医、病理医を経て、独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センターAi情報研究推進室室長に。2006年、『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)で小説家デビュー。この作品が第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。2008年、『死因不明社会』(講談社)で科学ジャーナリスト賞を受賞。その他、著書多数。

死亡時画像診断に反対する人はいないんです

 堀江貴文(以下、堀江) “バチスタ・シリーズ”って、終わっちゃったんですよね?

海堂尊(以下、海堂) はい。“バチスタ・シリーズ”っていうのもヘンなんですけどね。バチスタ手術が関係しているのは、最初の作品だけなので……。

(編集部注:バチスタ手術とは、心臓の左室の一部を切り取る手術のこと)

堀江 そういえば、そうですね(笑)。

海堂 バチスタ・シリーズは、小説としては2014年1月に文庫版『ケルベロスの肖像』(宝島社)を出版するのに合わせてシリーズ最終作となる『カレイドスコープの箱庭』(宝島社)を上梓しました。映像関連では同じく1月期にテレビドラマの『チーム・バチスタ4螺鈿迷宮』(フジテレビ系)が放送され、3月に『チーム・バチスタFINALケルベロスの肖像』(配給:東宝)が公開されて、それで一区切りがつきました。

堀江 海堂さんは、オートプシー・イメージング(死亡時画像病理診断)の重要性と導入を訴えているので、これまでの小説の中にもオートプシー・イメージングがよく出てきますよね。

海堂 略して「Ai」って言いますけど、2012年6月に死因究明関連二法案が成立し、そこでAiの導入が謳われたおかげなのか、最近は警察とかにもだいぶ浸透してきたみたいです。

ホリエモンWITH 堀江貴文 海堂尊

堀江 そうですか。

海堂 ご遺体を画像診断してみようというアイデアは、それほど特別なものではないんです。死因のわからないご遺体があって、その死因を調べる時、ふつうは解剖するんですけど、解剖する前に体を傷つけない画像診断をやりましょうという考え方は、一般の人でも理解できると思うんです。

堀江 そうですね。すぐに終わるし。

海堂 だから、Aiに対して反対する人はほとんどいないんです。ただし、「Aiをした後、その情報をどう公開するのか」そして「その費用をどこが出すのか」というところで、いろいろな問題が出てくるんです。

堀江 たとえば、どんな問題があるんですか?

海堂 情報開示についての一番の問題は、死因を公開すると捜査の妨げになるのではないかということです。

堀江 ああ。

海堂 でも、実際、殺人事件などの場合でもメディアが死因を報じていますよね。もし、死因が外部に漏らしてはいけない捜査情報だとしたら、メディアに報じないよう要請すると思うんです。でも、黙認しているということは、現実的に死因は捜査情報ではないということですよね。

堀江 そうですね。現在、Aiの情報は誰が見られるんですか?

海堂 そのへんが微妙なんです。Aiは2012年に交付された死因究明関連二法案(「死因究明推進法」と「警察関連死因法」)に組み込まれていて、その中に情報を漏らしてはいけないという項目があるんです。これは、刑事訴訟法の証拠の情報を開示してはならないという項目に準じたものだと思うんですよ。

堀江 でも、情報開示をしないと言っても、画像診断医とか検死をするお医者さんは見るわけですよね。

ホリエモンWITH 堀江貴文 海堂尊

海堂 そうなんですけど、警察から依頼された法医学者が見ることが多いんです。

堀江 警察が指定する人しか見られないということですか?

海堂 そこらへんがなんとも言えず、また微妙なんですよね。

堀江 なんなんですか、微妙、微妙って(笑)。

海堂 はっきりしていないということです。

堀江 なあなあでやってるみたいな感じなんですか?

海堂 Aiは新しい分野なので、きちんとルールを決めなければいけないんだけれども……。

堀江 決めていないってことですか?

海堂 そうですね。

堀江 じゃあ、今までの検死システムに準じるような形で行われていると?

海堂 そうです。

 

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