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「打席数×打率でヒットを作る」 國光宏尚が考える“モバイルゲーム”の未来とは?後編1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 國光宏尚

<前編はコチラ>

ローカライズして、世界中で売れる仕組みを作る

堀江 今、世界のモバイルゲームのプレイヤーって、どこが1位なんですか?

國光 モバイルでいうと、1位はソフトバンクが買収した『Supercell(スーパーセル)』で、2位がガンホー、3位がmixiですかね。

堀江 海外では、スーパーセル以外に有力なプレイヤーっていないんですか?

國光 欧米でいうと1位がスーパーセル、2位が「Candy Crush(キャンディクラッシュ)」の『King(キング)』、3位が「Game of War」の『Machine Zone(マシンゾーン)』ってところですかね。

堀江 コンシューマゲーム(家庭用ゲーム機)系の会社は入ってないんですね。

國光 欧米はPS4(PlayStation4)などの次世代機が絶好調なんですよ。それで、PS4などのゲームが売れまくってるんです。ですから、4、5年前だったら「モバイルのゲームを作らなきゃ」って考える会社が多かったと思うんですが、今は家庭用ゲーム機が大当たりしているので、モバイルへのシフトが止まっているんです。

堀江 そうなんですね。

國光 あと、2012年の“ジンガショック”が大きいですね。facebook上のソーシャルゲームで当てた『Zynga(ジンガ)』という会社が、2、3年で1兆円規模の企業に成長しました。それが、1年で一気に1000億円程度まで落ちてしまったんです。それ以降、欧米の投資家はゲームはボラティリティ(価格や資産の変動)が激しすぎるから怖いということで、ゲームに出資を控えてしまったみたいなんです。

堀江 でも、だから逆にチャンスでもあるんですよね。

國光 そうなんです。欧米のプレイヤーはちょっと成功すると日本では考えられないような額の資金を集めて、一気にパワープレイで世界を取りに行くんですが、このジンガショックがあったために、その後のキングもかなり苦戦しています。

堀江 キングはなんで苦戦しているんですか?

國光 カジュアルゲームだからです。ゲーマーに向けたゲームじゃなくて、ゲームをあまりやらない人たち向けのゲームだったので、その人たちが飽きちゃったんですね。

ホリエモンWITH 堀江貴文 國光宏尚

堀江 ああ。

國光 だから、今、欧米を拠点に立ち上げようとか、出資しようとする人がいなくて、無風状態なんですよ。逆にライバルとなるのは韓国や中国。韓国だと今強いのは『CJ E&M』とか『COM2US』あたりですね。中国は『Tencent(テンセント)』がめちゃくちゃ強い。あとはPCオンラインゲームの『ネットイース』とか、ゲームではないけど『アリババ』も出資を強めており、アジアのほうが勢いがあります。

堀江 コンシューマーゲームの大手って、どれくらい売上げてるんですか?

國光 売上げはちょっとわからないですけど、今、時価総額の大きい会社は、『任天堂』『EA(エレクトロニクス・アーツ)』『Activision Blizzard(アクティブビジョン・ブリザード)』の3つあって、それらがだいたい2兆円弱だと思います。

堀江 コンシューマゲームって、インストールベースがめちゃめちゃ少ないじゃないですか。スマホに比べたら、一ケタ、下手したら二ケタ違うかもしれない。だから、ひとりあたりの単価が高いんですよ。

國光 そうですね。

堀江 だから、コンシューマゲームの市場って、これ以上、大きくならないと思うんです。そう考えると、スマホのほうが明らかに伸びますよね。

國光 そうですね。でも、結局、ゲームビジネスってすごくシンプルなんです。ポイントは2つあって、ひとつは“世界中で売るための仕組みをどう作るか”。

堀江 世界中で売るための仕組みって、何か違いがあるんですか?

ホリエモンWITH 堀江貴文 國光宏尚

國光 ええ。ものすごく違いますよ。例えば“ブレイブ フロンティア”は、16言語に対応しているんですけど、それぞれの言語でクオリティを高くコストを安く、カルチャライズ、ローカライズして運用していく体制を作らなくちゃいけないわけです。

堀江 運用って、日本での運用と何か違うことがあるんですか?

國光 あります。例えば、クリスマスイベントひとつとっても、日本とアメリカでは意味が違ってくるし、日本にはサンクス・ギビングデーとかやりませんよね。そういうところを国ごとに変えていかなきゃいけないし、広告なども違ってくるんです。例えばですが、日本だとカワイイ広告が優位にくるんですけど、海外でそういう広告を出したら引かれちゃう。なので、カルチャライズ、ローカライズ体制やユーザーサポート体制は、結構、違ってきます。

堀江 なるほどね。

國光 あとは、アンドロイドの対応や通信環境も国によってまったく違ってくるので……。日本って通信速度が速いからファイルサイズが大きいんですよ。1ギガとかあったりするんです。

堀江 ゲーム本体のファイルがね。

國光 でも、通信速度が遅い国ではそのサイズのダウンロードは難しいので、三段階に分けて出したりしてます。ですから、難しい仕組みというより、どちらかというと地味なオペレーションを世界中で構築していくんです。

堀江 映画の配給みたいな感じですね。

國光 そうですね。ローカライズして各国の企業やメディアと連携していくところなど、ハリウッド映画が世界中に作品を提供する仕組みと同じですね。

堀江 はいはい。

 

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