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現代の魔法使い 落合陽一 対談を終えて。

対談を終えて

堀江貴文 落合陽一 ホリエモンWITH

対談を終えた落合氏に堀江の印象など率直な感想を伺った。

とても楽しくお話させていただきました。いつも何を言ってるか分からないと言われる僕ですが、早いスピード感で話せてリラックスできました。堀江さんはすごく回転の速い人で、すごく楽しくて非常に幸せなひとときを過ごさせていただきました。こういう時間が過ごせるから、一人で考えるよりみんなで考えた方が楽しいと思うのです。人間は一人だけだとセンサーとアクチュエータのついた物理的コンピュータです。二人から人間です。人「間」とはいい単語だと思います。

僕が研究者として一番研究しているなと思うときは「誰かと議論をしているとき」です。一番楽しく、人間が研究する意味みたいなものを感じます。コンピュータとコンピュータが議論しても多分しょうがない。コンピュータの個と全は判別しがたく、新しい価値のジャンプは生みにくい。違う人間と人間が議論するからすごく楽しい。僕らは物理的にここに存在していて、さまざまな要因が思考ややり取りに影響する、それが愛おしい。高速でやり取りが出来て、変化球を拾いあえるようなやりとりこそが思考を導いていく。本来、学会というのはそういうためにあるべきもので、研究者が資本主義社会で生きるための評価機構ではないはずです。この世界にあるさまざまなことを発見し、触れて、その中で生きていくことに猛烈に興味がある人たちがいる。彼らが脳と脳をぶつけあって楽しんだ末にできる、「名状しがたい素敵なもの」が世界の真理を解き明かしたり,何かを変えていく原動力になったりする。それが本来の研究の正しい議論の場であるべきです。そういう初心に立ち戻れた素敵な時間でした。

職業柄?魔法感についてよく考えます。魔法感は魔法っぽく見えるか否かの感覚的なところです。時間や空間の解像度みたいなスペックで評価できるものから出てくる評価できない感動です。それで研究のWOWは決まると思います。

取材のときのエピソードですが、浮遊装置について、取材や長時間の実験とかで長く動かすときは冷却のためファンを廻しているので音響装置自体からは音はしなくても、ファンの音は結構うるさいのです。機械の駆動音が大きいと魔法感はしません。だから、最近水冷にしたいなぁと常々思っています。その点を堀江さんにも指摘していただき、ファンを切ったら「この方が絶対魔法感あるよ」とい言ってくださったのがすごく嬉しかったです。研究からすれば些細なことで、ファンが鳴っているか鳴っていないかは、論文に書かないですし、重視されないことです。他のメディアの取材でも他に指摘した方はいませんでした。でも、そこが劇的に違う。WOWが生まれるか生まれないかで感動できるか出来ないかが決まる。そこがすごい重要なことなんだと思います。

魔法は駆動していることが明らかであったら魔法でない。駆動はからくりです。魔法はその先にあるなにか.その差が些細なところから生み出される、僕もその些細な差を信じるからこそ。自分の研究を愛していけるところがあります。この感じ共有できて嬉しかったです。

対談を終えた後、もっとビジュアルにコミュニケーション出来たら良かったなぁと思いました。文章起こしされた記事を拝見してもそうですが、どうしても難しい。難しいものを簡単に伝えようとしても本当に面白いところのエッセンスが伝わりにくい。でもビジュアルなら流し読みや流し見ができるからいいなと思います。その辺もっと補足資料を用意しておけば良かったと思いました。何かこううまく議論できる仕組みや、その人達が考えていることを高速でシェアできる仕組みなんかももっと考えていかないといけないのかもしれません。動画や文章は前世紀からの移入であり、ここにある共時性の興奮をどう伝えるか。それも非常に興味深い。でも前述のように楽しんで会話できたので,それが文章から伝わることを祈ります。

人生という短い時間で長いスパンの目標を実現しようとするのは非常に大変です。堀江さんの宇宙の話、すごく興味がありました。僕も50-100年くらいのスパンで世界を変えていきたいと思ってます。堀江さんは41歳、僕は26歳,人間の生活単位で考えれば干支一回り違うと全然違うかもしれません。実質、僕はとても若輩であと5年、10年間は死ぬ気で努力しないと何も見いだせる感じがしません。でも,世紀の単位で考えれば、僕が40歳になるころ堀江さんはまだ50代。23世紀の人から見れば同い年みたいなものだと思います。22世紀,23世紀に向けて何かできないか、将来コラボレーションできないか。そういう視点を得たことはこれから先につながっていくことだと思います。

まだまだ人生という長い冒険が続くであろう今このタイミングで、とてもいい対談ができたことを嬉しく思います。これからも堀江さんの活動を応援しています。ありがとうございました。

 

落合陽一(Yoichi Ochiai) Website
1987年東京都出身。東京大学大学院学際情報学府修了。デザインとプロトタイピング、およびメディアアートに興味を持ち研究開発に従事するメディアアーティスト・研究者。また実業家としてジセカイ株式会社を創業など多岐に渡り活動している。

Photograph=柚木大介  Edit=村上隆保 Transcription=logo-01 Text=伊藤龍介 Impressions =落合陽一