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VANQUISH『TOKYO BOMB』× HORIEMON『WITH』その2

ノリが良い人は、ずっと誘われ続ける

片桐 堀江さんって、WEB制作の仕事をやってましたよね。WEB制作の仕事って色んな人と出会えますよね?

堀江 そうそう。それが魅力でインターネットの仕事を始めたようなものだし。それと、インターネットって横串というか、すべての業界に関わりのあるものじゃないですか。それに気付いた時、「インターネットの力で世の中の仕組みをすべて変えられる」と思ったんですよね。すごくエキサイティングでしたよ、15年前は。

 今はエキサイティングじゃないですか?

堀江 今は“楽”なんです。サービス立ち上げたら十中八九うまくいく、みたいな状況だから。

片桐 具体的に、今は昔と比べてどういうふうに楽なんですか?

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堀江 だって、今はスマホがあるから、例えばアプリを作れば5万ダウンロードとか10万ダウンロードとかすぐにされるじゃないですか。Facebookで数人の友達にシェアすればすぐに何千人っていうインフルエンサーに伝わって、最終的に100万人とかに拡散されるわけでしょ。「なんなのこの楽さ」って思っちゃいますよね。そういう意味では、今はエキサイティングではないです。

片桐 昔は集客が大変でしたからね。ちなみに堀江さんのTwitterのフォロワーとか堀江さんの本を買う人って、男子と女子、どっちが多いんですか?

堀江 男子のほうが多いですね。でも、女子もだんだん増えてきましたよ。やっぱり女子に人気が出ないと、本を出しても100万部は売れないんです。今回の本(『ゼロ』)も完全に女子狙いですよ。

 女子狙い?

堀江 本の内容が、じゃないですよ。PRの方法とかが女子狙いなんです。最近の対談相手も蜷川実花さんとか瀬戸内寂聴さんとか、女子ウケする人ばっかり。小泉今日子さんとかとも対談したいですね。そういう人逹から「いいね!」してもらいたい。

 超おもしろい(笑)。

片桐 堀江さん、Twitterで知らない人に絡みまくってますよね。リツイートしたり。

堀江 みんなそれをやればいいのに、それがおもしろいのにって思いますよ。あと、Twitterが優れてるところは、タレントの女の子とかとフォローし合うと裏でダイレクトメッセージが送れるところですね。

 堀江さん、そうなんです(笑)。

片桐 そういう手口だったんですね(笑)。

 片桐さん、手口じゃないよ、環境だから(笑)。

片桐 えーっと、ルックブック編集チームからも質問を預かってます。「堀江さんは『ゼロ』のなかで、努力の大切さや働くことの意味、そこから生まれる希望を言葉を尽くして語っています。堀江さんはなぜ、そんなにも他者にエールを送るのか?若者のためですか?それともこの国の未来のためですか?」と。

堀江 「若者」とか「国」とか、矮小化して考えないでほしくて。「若者」とか「日本人」とか「国」とかは別にどうでもよくて、すべての人に対して「こうやって生きたほうがいいんじゃない?」っていうのを伝えたかっただけなんです。たった50年とか100年の歴史しかない規範だったり常識に縛られて、勝手に自分で自分の手足を縛ってるみたいな人が多すぎるんで。

 わかる。

堀江 そういう人逹に「もうちょっとこうしたほうがいいんじゃない?」って伝えたかっただけの話なんですよ。単純にそれだけの話です。わかりやすい例を挙げると、ガリガリ君のコーンポタージュ味が食べられない人は、「コーンポタージュの味はアイスにしちゃいけない」って思い込んでるんですよ。実際食べてみるとそんなにエキセントリックな味じゃないどころか、おいしかったりするのに。gonoturnのマスクにしても、かわいいマスクだったり動物モチーフのマスクなんて、大企業の中で提案したら絶対につぶされますよね。課長に「こんなのねーよ」って言われて、せっかく思い付いた女の子がシュンとしちゃうみたいな。

 gonoturnをやるって言った時、社内でも賛成は一人もいなかったんです。なので僕が強引に進行したんですけど。

堀江 でしょ?大体みんな常識に縛られてるんですよ。僕だって縛られてますからね。あと、これに近い話で、『ゼロ』に「ノリのよさ」について書いてる部分があります。一番わかりやすいエピソードとして『桃太郎』の話を挙げてるんですけど、『桃太郎』に出てくるおばあさんは、実はノリがよかったんです。小川をどんぶらこ~どんぶらこ~と流れてくる、どう見ても普通じゃない巨大な桃を拾って、家に持って帰って割って中を見てみたっていう。なんてすごいんだこのおばあさん(笑)。

 確かに(笑)。

堀江 だから僕は、少しでも可能性があるものに対しては、やっぱりチャレンジしますよね。で、やって良かったっていうことは、実際、あるんですよ。

 うん、それしかないですよね。

堀江 身近なところでいうと、深夜の誘いでもけっこう行っちゃいますね。だから忙しくなっちゃうんですけど。チャンスを掴むには「ノリのよさ」が大事なんです。誘っても来ない人ってけっこういますよね。そういう人を見ると「なんてノリが悪いんだろう、これまでどんだけチャンスつぶしてきたんだろう」って思いますもん。あと、ノリが良い人って、ずっと誘われ続けるんです。「あっ、こいつは深夜でも万難を排して来るな」って思われて(笑)。

片桐 でも、堀江さんは誘いも多いじゃないですか?全部には応じられないですよね。判断基準ってどんな感じなんですか?

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堀江 うーん、明確な判断基準はわかんないかも。でも、定番みたいな場所には行かなくなりますよね。どうしてもそこに安住したくなるというか、楽をしたくなるじゃないですか?楽をしないように、生活習慣を固定しないようにしないと。毎日同じ物を食べない、とか。だから僕、家に住むことも止めたんです。

片桐 住むところは、今はどうしてるんですか?

堀江 ホテルですね。

 あー、いいですね。

堀江 でも、まだ満足してないというか、僕はもっと身軽になりたいんです。そこで出てくるのが「服問題」。ノマド生活において最大のネックは「服問題」なんです。服をどうやってマネジメントしていくか、という。例えば本だったら、物理本は買うのを止めるって決めるだけで解決するんです。Kindleになってないものは読まない、とか。でも、服だけはなくすことができないんですよ。ほら、月に1回だけ着たい服ってあるじゃないですか?

 服が堀江さんを悩ませてたっていうのが超意外でおもしろい(笑)。

堀江 まあ、とはいえ、かなり削ぎ落としましたけどね。

 すべての持ち物を持って、ホテルからいつでも出られる、みたいな感じですか?

堀江 そうですね。Airbnb(エアービーエヌビー)とかを使って世界中を周りたいですね。それぐらいになりたい。

 僕も、今は一年のうち3分の2ぐらいは海外なんで、ホテル暮らしのほうが安くつくかも。

堀江 僕は完全にそうですよ。トータルで見てホテル暮らしのほうがコスト・エフェクティブだし、なによりすごく自由です。僕は、いずれ住居も完全にシェアできるようになると思ってるんです。ソーシャルメディア時代のキーワードは「シェア」なんで。製造業中心の世の中っていうのは変わっていきますよね、確実に。

 でも、そうなってくると、さっきの「服問題」じゃないですけど、やっぱり服だけはシェアする対象からは外れますよね?

堀江 いや、僕は服もシェアするっていう考え方が広まるような気がしますけどね。

片桐 服、シェアできますかね(笑)?

堀江 だって、フリマとかも、言ってみればシェアじゃないですか?スマホフリマも今、すごく流行ってますし。他人が着たものに対する抵抗ってだんだんなくなってる気がしますね。実際、ホテルのバスローブとかだって他人が着たものなわけじゃないですか。だから、いずれは服もシェアするものになっていく気がしますね。車なんて、もう確実にシェアするものになりますよ。これからはシェアの時代なんです。

片桐 話は尽きないんですけど、堀江さん、そろそろ高層気球を飛ばしに行かないと、ですよね?

 あー、今日はおもしろい話がいっぱい聞けて、最高に楽しかった。堀江さん、モテる企画を持っていくんで、また何か一緒にやりましょう!堀江さん、片桐さん、今日はありがとうございました!

堀江・片桐 ありがとうございました!

 

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石川涼 
株式会社せーの 代表取締役
1975年神奈川県生まれ。20歳で上京、24歳でアパレルブランドを立ち上げ起業。2004年にメンズファッションブランドVANQUISH(ヴァンキッシュ)をスタートさせ、10代〜20代の男性に絶大な支持を得る。その他6つのメンズブランド、レディスブランド3rd by VANQUISH、gonoturnなど全国、そして海外にも展開。

片桐孝憲
ピクシブ株式会社 代表取締役社長
1982年静岡県浜松市生まれ。2005年Webシステム開発会社を創業。07年にリリースしたイラストSNS「pixiv(ピクシブ)」は現在ユーザー数750万人に達し、海外展開やイベント等を積極的に行っている。 13年に国内最大級のコスプレコミュニティサイト「Cure(キュア)」をNHN Japanより譲り受け、キュア株式会社の代表取締役に就任。