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ホリエモンWITH「この際、オリンピックだからやっちゃいましょう」 竹中平蔵氏に聞く、経済再生と東京の未来とは?その3

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根本的な欠陥は、東京全体で何をやるかという組織がないこと

竹中 今、いろいろお話をしていて、ひとつ気づいたのは、オリンピックの組織委員会というのは“Organizing Committee ”といって、IOC(国際オリンピック委員会)で、こういう組織を作らなきゃいけないと決められているんですね。ところが、これはイベントを実行する実行委員会なんです。あくまでオリンピックというイベントのためのものなんですね。すると、オリンピックだけではなく、東京全体で何をやるかという実行委員会は、今のところないわけですよ。たとえば、オリンピックの前には、都市の交通を整備しなければいけませんよね。道路をどうするか。羽田からのアクセスはどうするか。そして、それとともに、けん玉オリンピックやったらどうですかとか、そういうトータルなプランニングをするセクションがどこにもないんですよ。これは根本的な欠陥ですよね。

堀江 そうですね。たとえば、僕が今、すごく問題だと思っているのは、東京の防災対策なんです。防災対策は極論すると火災対策だと思うんです。倒壊で亡くなる人より、火災で亡くなる人の方が多いですよね。もし、東京で地震が起きたら、火災による被害が一番大きいと思うんです。これは、どんな大金を投入してでも、必ずやらなければいけないことです、絶対。たとえば、わかりやすいところでは満員電車をなくす。じゃあ、満員電車をなくすにはどうしたらいいかっていうと、単純に運転間隔を狭めればいいんです。最先端の信号技術を使えば、もっと狭められるはずなんですよ。あとは、電車を2階建てにするとか。で、ホームも2階建てにする。

竹中 エアバスA380(オール2階建ての大型旅客機)みたいな。

堀江 そうです、あんな感じです。技術的には簡単にできるらしいんですよ。2階建ての車両自体はあるんで、ドアを上と下につける。そうすると輸送能力が2倍になるじゃないですか。あとは24時間運転。現在、複線の山手線を24時間運転をするためには、保守点検の問題があって複々線にしなくちゃいけないというんですが、それなら単線運行にすればいいじゃないかと。別に、深夜なら運転間隔は30分なり1時間に一回ぐらいでいいわけで、それなら単線でもいけるんじゃないかと。

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竹中 毎日ではなくても、週末だけとか、やり方はいくらでもありますよね。

堀江 防災対策を含めた輸送力強化っていうのは、絶対やらなくてはいけないと思っています。

竹中 そういえば、面白い研究をした人がいましてね。1950年から2006年まで、オリンピックを開催した国で何が起こったかをカリフォルニア大学のエコノミストたちが調べたんです。すると、オリンピックをやった国では、その前後で貿易が30%ぐらい増えてるんですよ。なんでかっていうと、「オリンピックで海外から人が来る。だから、ヘンな規制(為替規制とか貿易規制など)はやめよう」と。「自分たちの街(国)をちゃんと見せよう」という“Save Face”効果が働くそうなんです。

たとえば、羽田空港の国際化がずっと言われてますけども、どうしてできなかったかというと千葉県と成田空港周辺の自治体が反対してるからですよ。でも、「この際、オリンピックですから、羽田空港を国際化しましょうよ」と言うことができる。さらに、空域制限を取り払えば発着回数が増やせるんです。新しく滑走路をつくらなくても、まだ1、2割は増やせるんですよ。だから、この「この際、オリンピックだから」ということで、いろんなことができないかなと思っているんです。

堀江 空域制限って、まだ残ってるんですよね。

竹中 残ってますよ。だから、この際、オリンピックだから日本の満員電車をなくそうとか、オリンピックをきっかけにいろいろとやっちゃおうと。良い意味でオリンピックをエクスキューズにしてね。