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クレディ・スイス証券元部長、2審も無罪 株式報酬めぐる脱税事件って超冤罪事件

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頭の体操

クレディ・スイス証券元部長、2審も無罪 株式報酬めぐる脱税事件(MSN産経)

ストックオプション(株式購入権)の税制って多くの国民が実はちゃんと把握していない。私も会社を上場させて初めて知って愕然としたことがある。ストックオプション制度はそもそもベンチャー企業には最初っからなかなか優秀な社員が来てくれないのに高額な給料は払えないので株式の将来の値上がりを見越して、その株式を現在価値で買える権利(オプション)を与えるという制度なんだが、日本の課税制度においてはストックオプションの権利行使をした段階でその時点での株式時価と行使価格の差額に総合課税されるのである。大抵は高額所得者の扱いになるため課税率は最高額レベル、つまり半分近くが課税される。が、そこで権利行使して株券にはなっているものの、売却しなければ現金はないので、売却しない場合は納税義務が生ずるがその分の現金を用意出来ない場合が多いので大抵は行使と同時に売却をするのである。

今回の事件はその売却分の課税分を会社が源泉徴収してると思い込んで申告しなかったら、実は源泉徴収されてなくて、申告漏れで普通は修正申告ですむところが何故か国税に告発されて起訴されて有罪になりかけた、という話である。この事件の被告氏はガッツのある人で検察&国税を敵に回しながらも不屈の精神で闘い抜き、遂に東京地裁に続き、東京高裁で無罪判決を勝ち取った。これは非常に価値のある事であり、世界一保守的な東京高裁でもしかしたら珍しく無罪を出す「当たり」の裁判長にあたったのかもしれない。

これまで外資系金融機関のストックオプション制度をめぐる脱税事件では有罪判決が相次いでいるので、恐らく当局に逮捕&起訴されて心が折れて相手のいうがままに調書を取られてしまったのだろうと思う。根性ねーな、と思うかもしれないが気持ちはわかる。今回の被告の勇気は素晴らしいと私は感じている。

ちなみに流石に検察も諦めるのではないか。これ以上やれば恥の上塗りであるし、最高裁は事実関係の洗いなおしはしないので検察にとっては厳しい闘いになるだろうから、そういう事は彼らは通例はやらないのである。