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ホリエモンWITH 「簿記の知識がなくても帳簿がつけられる!」freee 佐々木大輔が考える企業会計の未来とは?前編

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アジアの国で比較してみても、日本の中小企業だけクラウド化が遅れているんです。

堀江貴文(以下、堀江) 『freee』(中小企業・個人事業主向けの全自動のクラウド会計ソフト)は絶好調みたいですね。今、登録事業者数はどれくらいですか?

佐々木大輔(以下、佐々木) 無料プランを利用されている方をあわせると、7万を超えていますね。この分野は、これまでイノベーションが起きていなかったので、そこを何とかしたいと思っていたんです。

堀江 このサービスを始めようとしたきっかけは、何だったんですか?

佐々木 中小企業や個人事業主の方たちにとって、会計という分野は一番保守的な部分だと思ったんです。そこで、ここでイノベーションを起こしたら、日本全体のシステムが変わるんじゃないかなって思ったのが、きっかけです。

堀江 僕も昔、会計ソフトの会社を買収したことがあるんですよ。

佐々木 当時は、クラウド化するとか、そういう構想はあったんですか?

堀江 当時はASP(遠隔利用)が主流だったので、ASP化するっていう話はありましたね。ただ、僕はクラウド化の流れは必ず来ると思っていたので、なんでみんなやらないんだろうとは思っていたんですよ。

佐々木 日本って、中小企業のクラウドサービス利用率は17%しかないんです。これは会計だけじゃなく、メールやカレンダーなど、そういう機能をすべて含めた数字です。これがアメリだと54%。アメリカでは、中小企業でも日本の3倍以上の事業者がクラウドサービスを活用しているんです。アジアの国で比較してみても、日本だけ中小企業の数は増えていないし、テクノロジーの浸透度、クラウドサービス、コミュニケーションの手段など、すべてにおいて遅れているんです。

堀江 今、中小企業の電子化はどれくらい進んでいるんですか? 例えば、見積書や発注書、納品書や請求書を出して、入金を確認をするみたいな社内のワークフローの自動化はどれくらい進んでいる感じですか?

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佐々木 まったく進んでないと思います。いまだに紙やFAXを使っいてる事業者はたくさんあります。システムが入っているケースはほとんどないと思います。

堀江 そこが、今一番必要なところじゃないですか。請求書をまだFAXで送るなんて「馬鹿じゃねえか」って思うくらいですけど(笑)。

佐々木 本当にそうなんです。特にBtoBの世界は、イノベーションが進んでいません。紙で請求書を受け取ると、税法上その請求書を一定期間取っておかなくてはいけないんです。しかし、PDFで受け取れば、別に取っておく必要はありません。電子的に保存しておけばいい。会計システムを電子化するメリットってすごく大きいんですけど、まだまだ習慣的に広まってきていないです。

堀江 まるで広まっていないんですか……。

佐々木 僕は、メールの署名のところに、うちの会社に請求書送るときはPDFで送ってくださいって書いてあります。

堀江 僕はPDFすらムダだと思いますけどね。

佐々木 そうですね。本当は相手の会社のデータベースに直接、請求情報を送るっていうのが理想だとは思っています。実は僕たちのクラウド会計ソフトでは、請求書を作る機能っていうのがあって、請求書を作っておけば、それに対して振込みがあった時に、自動でその請求書の消込ができるんです。さらに今後は、freeeを使っている者同士で請求業務が発生した場合には、直接、相手方に請求情報を送れたり、また、それによって相手方から決裁を受けることができたり、さらに相手方のデータベースに記録してしまって、証拠の書類というものすら取っておく必要がない社会を作れたらいいなと思っているんです。

堀江 それは今、トレードシフト(ビジネス管理のプラットフォーム)がやろうとしている部分ですよ。会計ソフトの部分はやらないけど、会計ソフトとのつなぎですね。それができれば、ファクタリングや手形の割引が商売になっていくと思うんです。あとは貸付ですね。信用情報をすべて把握できるので、それを見て与信枠を事前に設定できる。するとお金のやりとりも最小限にできるじゃないですか。三社間なのか数社間なのかわかりませんけど、お金の流れがわかるので……。

佐々木 お金の流れを利用したリファクタリングみたいな感じですかね。会計ソフトの中に、与信に必要な細かい情報が入っているので、そこをお金を貸す側と連携させれば、データが全部を見られるので、それによって審査を行うモデルが出てきたりしていて、すごく面白い領域だと思うんです。

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「より会計を効率化したい人」「リテラシーの高い人」たちがfreeeを使い始めている

堀江 今、ライバルというか、競合しているのはどういうところだと思っていますか?

佐々木 マーケットを取っていくのは、『弥生会計』とか、そういう既存の中小企業向けの会計ソフトだと思います。

堀江 freeeのユーザーになる人は、どういう理由で入るんですかね? これまでは多分、スタンドアローンの会計ソフトなど使っていたわけですよね。

佐々木 freeeのユーザーの方の半分ぐらいは、これまで会計ソフトを使ったことがなかった方たちです。そして、残りの半分は既存の会計ソフトを使っていた方たち。乗り換えた理由は3つぐらいありまして、ひとつは、どうしてもいろんな端末からアクセスしちゃうので、クラウド型にしたかったというもの。二つ目は、簡単な会計ソフトが欲しかったという方。今までの会計ソフトって、昔のコクヨの仕訳帳みたいな会計帳簿をそのまま使ったようなインターフェースなんですけど、freeeの場合は簿記の知識が一切なくても使えるインターフェースを実現しているので、とても簡単なんです。3つ目は、銀行やクレジットカードなどと連携して、自動で帳簿が作れるので、そうした効率化をしたいっていう方です。

堀江 既存の会計ソフトを使っているユーザーさんって、現在の使い勝手をそのままにしておきたいと思うんじゃないですか?

 

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佐々木大輔(Daisuke Sasaki) freee株式会社代表取締役
1980年生まれ。一橋大学商学部卒業。在学中にストックホルム経済大学に派遣留学生として在籍。卒業後は博報堂に入社し、マーケティングプランナーに。2008年、グーグルに参画。日本におけるマーケティング戦略の立案、アジア地域の中小企業向けマーケティングの統括を担当。2012年7月にfreee株式会社を設立。

全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)
http://www.freee.co.jp

Photograph=柚木大介  Text/Edit/=村上隆保  Transcription=logo-01