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ホリエモンWITH 「個人の資産現状を簡単に把握できる」アプリを開発。 マネーフォワード辻庸介が語る会計の未来とは? 4/4

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国ではなく、民間企業が世界を動かして行く時代

辻  ベンチャー企業の成功者といえば、堀江さんがすぐに思い浮かぶんですけど、堀江さんがメディアに取り上げられていた頃、僕は「この人、すごいなあ」と思いながらニュースを見ていたんです。それで、その時に一番興味を持ったのがなぜ合理的な堀江さんが立候補したのか?ということに関してなんですけど、政治って基本的に多数決じゃないですか。多数決だとやはり、おじいちゃんやおばあちゃんなど年配の方向けの政策が中心になるじゃないですか。それって、未来につながらない政策ですよね。そういう構造的な問題が政治にはあるのに、なぜ合理的な堀江さんが立候補したんだろうかと。。

堀江 今、民主主義が限界に近づいているっていうのは事実だし、国民国家というシステムが制度疲労を起こしているのも確かだと思います。だから、お金の分野っていうのが、すごくセンシティブになっていると思います。国民国家がもっている権利や権力がどんどん収奪されていってる感じですよね。たとえば徴税権。Amazonが今、日本で消費税を払っていなかったり、楽天のKoboとかもそうですよね。

辻  そうなんですか?

堀江 そうです。Koboはカナダにある会社なので、消費税がかかっていないんです。だから、オフショア(海外など)で会社を作ればいいんです。

辻  なるほど。

堀江 そのため国は、登録事業者っていう制度を設けて、そこで消費税を納めろみたいなルールを作ろうとしているみたいですけど、どこまで実効性があるのかわからない。あと、グローバル企業がよくやっているのは、タックスヘイブンやタックスヘイブンに近い所、たとえばアイルランドとかオランダとかに法人を作って、そこに利益を集めていますよね。AppleやGoogleなんかもそうしてます。でも、これがおかしなことになっていて、利益はすごく貯まっているんだけど、アメリカ国内に持ち込めない。持ち込んだら、そこで徴税されちゃうんで。だから、どうしているのかというと、配当を払うのに社債で調達しているんです。

辻  国内で社債を?

堀江 海外資産を担保にして、社債を調達して、それで配当を支払うみたいなことをしているんです。そういうスキームになっているんですよ、実際は。

辻  そうなんですか。

堀江 Appleが、あんなに社債を出している理由は、そういうことなんです。

辻  あんなにキャッシュが潤沢にあるのに……。

堀江 あるのにアメリカ国内に持ち込めないから。だから今、アメリカの当局と交渉しているんじゃないですか?

  持ってくるから、ちょっと安くしろとか(笑)?

堀江 税金をこれくらいにしてくれたら、持ってくるんだけどなとか(笑)。

辻  本当に国家の仕組みって、インターネットの前では限界を露呈していますね。

堀江 あと、軍事もすごく大きい国家権力じゃないですか。これも実は、みんなが知らないところで無実化しているというか……。たとえば、ロケット。ロケットって、1984年にアメリカで「商業打ち上げ法」っていう法律ができて、その後、改正されて民間宇宙ロケットを打ち上げて、回収してもいいことになったんですよ。それによってどうなったかというと、ロケットを打ち上げて地球の狙ったところに戻ってくるという技術は、弾道ミサイルの技術とまったく一緒じゃないですか。ジャイロとかGPSで誘導して戻すわけですから。それが宇宙船じゃなくて、核ミサイルでもできると……。

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辻  それは武器ですね。

堀江 それを民間企業が持っているわけですよ。

  国じゃなくて、民間企業が軍事力を持てちゃう時代にどんどんなっていると……。

堀江 僕は北朝鮮の金正日氏は、『沈黙の艦隊』を読んでたと思うんですよ。

  本当ですか(笑)僕大好きですけど『沈黙の艦隊』。

堀江 僕は勝手にそう思ってるんですけど、北朝鮮のやっていることは、まさに沈黙の艦隊なんですよね。

辻  どういうことですか?

堀江 沈黙の艦隊って、日本が原子力潜水艦を秘密裏に作っていて、その潜水艦の艦長がクーデターを起こして独立するっている話なんです。つまり、核ミサイルさえ持っていれば独立できる。一発打てば終わるので。

辻  手を出せない……。

堀江 北朝鮮は今、核保有国ですよね。だから、朝鮮半島が南北が統一されない理由のひとつに、北朝鮮が核保有国になってしまったということだと思うんです。実は、日本も実質的な核保有国ですよね。お得意のグレーゾーンにしていますけど、プルトニウムを20%まで濃縮できますし、それにちょっと手を加えれば100%近くまでできるので、プルトニウム型の原子爆弾を作れます。原子爆弾そのものは、大学の工学部にいってる人だったら作れるレベルの技術ですし、精密誘導できるし、大気圏再突入技術も持ってるし、イプシロン(固体燃料)なので、いつでも打てます。

  堀江さんもロケットをやっていますよね。

堀江 僕は安く宇宙に行く技術を提供したいだけなんで。

辻  それって、ビジネスとしてやっているんですか?

堀江 趣味と両方ですね。ビジネスとしてのメリットっていうのは、サスティナブル(持続可能)であるということですよね。上場する時に必ず聞かれるのが、「企業としての持続性の用件」じゃないですか。そこが実は一番大きなポイントなんですよ。国家の事業って、サスティナブルじゃないんです。

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辻  お金を使うだけで、戻ってこないですし、そもそもサスティナブルの仕組みを構築する必要性がないですよね。

堀江 戻ってこないし、継続して予算が確保できるかどうかっていうのが、不透明なんですよ。アポロ計画とかも、「月はもう飽きたから」っていう理由でストップしちゃうんです。

辻  それだと次の進化に行かない。

堀江 サスティナブルじゃないから、技術も継承できないんです。たとえば、性能の良い自動車がどんどん出てくるのは、サスティナブルだからですよ。自動車の技術者は日々、エンジンの開発とかをしていますよね。でも、国が開発するロケットなんて、10年とか20年に1回くらいしか作らないし、できたものをただ生産するだけなので、そこから技術開発をほとんどしませんよね。技術開発って、日々の細かなノウハウの積み重ねなので、それを伝承していかなければダメなんです。技術者がノウハウを次の世代に伝承して、継続してやっていかなければいけないんですけど、国はそれがなかなかできない。でも、民間企業はサスティナブルだから、それができるんです。それこそ、アジャイル開発(状況に応じて迅速・柔軟に素早く開発する手法)の世界です。

辻  なるほど。民間企業の力が今、頼られているんですね。実は、マネーフォワードは今、社員が40人くらいなんですけど僕たちがやりたいことが多すぎて。。。

今は、個人向けの自動家計簿や資産管理アプリ、それからクラウド会計やクラウド請求、給与や経費精算など「BtoB(企業間取引)」のクラウド化をやっているんです。たとえば経費請求など、これまで社員が個人で調べていたものが、「東京・秋葉原で宿泊するならここが最適です」って端末で示されて、それで承認ができるとか、そういう便利なものや、テクノロジーの力でもっと実生活を改善することなど、やれることが山ほどあります。

これから、堀江さんを驚かせるサービスを作っていきますので、よろしくお願いいたします。

堀江 超期待してますよ。

辻  ありがとうございます。超期待していてください。笑

堀江 こちらこそ、ありがとうございます。

 

辻庸介(Yousuke Tsuji)
マネーフォワード代表取締役社長CEO
1976年、大阪府生まれ。京都大学卒。2001年、ソニー株式会社に入社。経理部所属。2004年、マネックス証券に出向。2009年ペンシルバニア大学ウォートン校に留学。帰国後、マネックス証券COO補佐、マーケティング部長を経て、2012年、マネーフォワード設立。2014年1月、米国大使館賞受賞。同年2月、「ジャパンベンチャーアワード2014」JVA審査委員長賞受賞。

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