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ホリエモンが聞く、中村修二教授の「ゼロ」と今。その3

中村教授もホリエモンも変えたい、日本のベンチャーを取りまく環境。

堀江 教授は、現在の研究資金をどうやって集めてるんですか?

中村 自分で勝手に集めてます(笑)。アメリカの大学は「給料は出すから、その代わりに講義をしなさい」ということなんです。それで「もし、研究がしたいんだったら、どっかから適当にお金を集めて、学生に給料を払って、研究をしてください。大学は一円も出しませんよ」と。だから、国にプロポーザルを出してもらうか、民間企業に「共同研究をしませんか?」って申し入れをして、お金を集めるんです。

堀江 じゃあ、ほんとに中小企業を経営しているような感じですよね。そこからスピンアウトしてベンチャー企業を作ったりとか、そういうのは興味ないんですか?

中村 やってますよ、2つ。LEDとレーザーの会社を2008年から。

堀江 じゃあ、完全に経営者じゃないですか。

中村 いや、経営者じゃないですよ。アメリカの工学部の先生は、だいたいみんなベンチャー企業をやってますから。コンサルタントとしてやっているのがほとんどです。

堀江貴文 中村修二 ホリエモンWITH

堀江 日本は、なんでやんないんですかね?

中村 ベンチャーをやるシステムが、米国に比べれば無いに等しいすよ。日本はベンチャーキャピタルとかもないですし。

堀江 そうなんですよ。だから僕はベンチャーキャピタルをやってたんです。でも捕まっちゃったんで、できなくなっちゃった(笑)。

中村 アメリカは、ベンチャーキャピタルをやってる人がいっぱいいますよ。それから、アメリカはベンチャー企業をやればたくさんの人材が集まって来ます。みんな金儲けがしたいんでね(笑)。でも、日本だと中小企業にはあまり人が集まって来ないですよね。

堀江 そうですね。僕らがベンチャー企業をやり始めた頃は、人がぜんぜん集まって来なかった。でも、僕たちがITでやってうまくいってからは、ITベンチャーにはいくらでも人材が集まるようになりましたね。だから僕は、今度はIT以外のベンチャー企業をやりたいんですよ。IT以外の技術系のベンチャーで、スピンアウトしてうまくいくような事例を作りたいんです。あと、大学の教授にそういう認識を持ってもらって、学生たちをそういうベンチャー企業にどんどん入れてあげてほしい。

中村 大学発のベンチャーというやつですね。アメリカも教授が率先してベンチャー企業をやって、そこに自分の教え子たちを送ってますからね。

堀江 日本って大学の周りにベンチャー企業が集まらないんですよ。例えば、東大の本郷の近くとかにベンチャー企業ってあまりない。

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中村 つい最近ですからね、日本で大学の教授がベンチャーをやっていいということになったのは。それまでは、ベンチャーは一切やっちゃダメという規則があった。特にコンサルは。だから、これからまだ時間かかるんじゃないですか。

堀江 でも、まだ真顔で「金儲けは悪だ」みたいなことを言っている人たちがいるんですよ。だから僕は、それを変えたいんです。

中村 私も変えたいですよ(笑)。だから、堀江さんがベンチャーキャピタルで投資すればいいじゃないですか。一番の問題はベンチャーキャピタルです。その次は人材の流動化。

堀江 僕も頑張りますけど、教授ももっとアピールされたらどうですか? 「今、私はベンチャー企業をバリバリやってます」みたいな。成功するロールモデルを出してほしいんですよ。そうしたら、みんな憧れると思うんです。これだけ頑張って、いかに世の中に素晴らしいプロダクトを出しているのかっていうことをアピールされないと。道を切り開いていく人って少ないじゃないですか。荒野のレールが引いてないところを分け入って道を作ってく人は、やっぱり必要なんですよ。

中村 講演などでは話しをしていますけどね。じゃあ、できる範囲で頑張ります。

堀江 派手にお願いします(笑)。本日はありがとうございました。

中村 ありがとうございました。

 

中村修二(Shuji Nakamura)
工学博士。1954年、愛媛県生まれ。20世紀中の発明は無理とも言われていた高輝度青色発光ダイオードを1993年に開発。現在、米国カリフォルニア州サンタバーバラ校教授。

 

堀江貴文 WITH 中村修二

Photograph=柚木大介  Edit=村上隆保 Transcription=logo-01 Text=伊藤龍介