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ホリエモンWITH NewsPicks編集長・佐々木紀彦が語る ニュースキュレーションメディアの未来とは?前編1/2

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佐々木紀彦(Norihiko Sasaki)
NewsPicks編集長
1979年生まれ。慶応義塾大学卒業後、東洋経済新報社に入社。2007年、米国スタンフォード大学に留学。その後、『週刊東洋経済』編集部を経て、『東洋経済オンライン』編集長に。2014年からNewsPicks編集長。

米『TIME』誌もニュースキュレーションから始まった。Webメディアも今、その歴史をたどっている

堀江貴文(以下、堀江) 今、ニュースキュレーション業界では、『NewsPicks』がすごく期待されているみたいですね。

佐々木紀彦(以下、佐々木) ニュースキュレーションメディアで編集長を置くというのは初めての試みなので、そういう意味では目新しさがあるのかなと思います。

堀江 『グノシー』『SmartNews』『Antenna』『NewsPicks』と、うまいこと住み分けができてきましたよね。グノシーとSmartNewsは朝日新聞や読売新聞的な役割。Antennaは雑誌。そして、経済情報に特化したNewsPicksは日本経済新聞を狙ってるとか。

佐々木 新時代の経済メディア、世界最先端の経済メディアを創りたいと思っています。

堀江 佐々木さんは、NewsPicksの編集長として、これからどんなことやっていこうと思ってるんですか。

佐々木 主にコンテンツ作りですね。これからやることは大きく分けて5つあります。1つめはオリジナル・コンテンツ作り。独自の連載ものなどを作っていこうと思っています。これは有料記事が中心です。

2つめがオリジナルキュレーション。海外の最先端メディアと契約して、それを迅速に翻訳してどんどん出していくようなイメージです。

3つめがアナリストコラム。今、社内に20名のアナリストがいますが、うまくタッグを組んでいろんなコンテンツを作っていきたいと思っています。例えばLINEの上場のニュースがあったら「この上場はどれくらい値がつくか」とか「LINEがこれから競争で勝つためにはどういうところがポイントになるか」とか、そういう解説みたいなものをアナリストに迅速に聞いて記事にしていきます。

堀江 社内にアナリストがいるのはでかいですよね。

佐々木 そうですね。あとは世界の550業界の解説をしているSPEEDA(世界規模の企業・業界の情報データベース)を一般の人たち向けに作り直していきたいです。

4つめがピッカー(NewsPicksのユーザーで、自分が面白いと思った記事を選んでコメントをする人)の発掘ですね。今、堀江さんを筆頭にいろんな方に出ていただいていてとてもありがたいんですけど、ちょっと男子校みたいな雰囲気になっているところがありますので(笑)。

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堀江 ああ〜(笑)。

佐々木 今、ユーザーの約75%が男性なんです。女性の比率をもっと増やしていきたい。そのためには女性も読みやすいように性別・国籍・業界・価値観など、多様性を持つピッカーを見つけていきたいと思っています。

5つめはイベントを企画して、リアルな世界との連携をするということですね。まずは、この5つを編集部でやっていこうと思っています。

堀江 なるほどね。今までこういうメディアに編集長がいなかったことが、僕は不思議なんだけど……。

佐々木 急成長してきた分野ですから、これまではあまり必要性を感じなかったのかもしれません。あとは編集長を置くことによって、ニュースの配信元との関係が難しくなるということがあるのでしょうね。ヤフーも編集部はありますが、自分でコンテンツは作っていません。それは、あくまで中立を保つための戦略だと思います。

堀江 LINEニュースもオリジナル記事は作っていないですよね。ニュースキュレーションメディアって何のためにあるかというと、ニュースを知る時間を効率的に使うためですよね。だから、本当に深く知りたい記事以外は要約で十分。これって、もともとは『Livedoorニュース』の「ざっくり言うと」っていうのが起源だと思うんだけど……。

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佐々木 キュレーションメディアが編集部を持つというのも、堀江さんがライブドアニュースで最初にやろうとしたことですよね。

堀江 うん。編集部を作ろうとしてましたね。あの頃はネット上にニュースが流れてこなかったんですよ。旧ライブドア時代にニュース配信をお願いしたけど、日経新聞は出してくれなかった。朝日新聞は一年間だけしか出してくれない。通信社も時事通信しか出してくれなかった。だから、編集部で独自のニュースを集めようと思っていた。

佐々木 その状況からすると、今はずいぶん変わりました。

堀江 キュレーションメディアの歴史を振り返ると、ブログがメディア化していったことが始まりですよね。2003年の暮れにライブドアブログをはじめたんですけど、その頃のPVの上位は「有名人のブログ」と「まとめサイト」でした。そして「2ちゃんねるのまとめブログ」とか「アキバニュース」といった一種のキュレーションが、メディアとしての価値を持つことがだんだんわかってきた。それでアフィリエイト広告とかでマネタイズができ始めて、PVが稼げる記事を量産していけば、会社として成立することがわかった。たぶん『J-CASTニュース』があの規模で黒字化したっていうのは、日本国内ではけっこうパイオニア的な存在だと思いますよ。

佐々木 過去の他のニュースメディアの歴史を見ると、たとえばアメリカの雑誌『TIME』も、始めはキュレーションメディアだったそうです。

堀江 あ、そうなんですか。

佐々木 始めはいろんなところからニュースを集めるだけだったのが、、どんどんオリジナル記事を増やしていって、世界一の週刊誌と呼ばれるまでになったわけです。だから、webメディアもそれと同じ道をたどるのではないかと思っています。

堀江 歴史に学ぶことは大事ですね。