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ホリエモンWITH 「遺伝子組み換えでクモ糸をシルクに混ぜ、強度を増した」 生物研が目指す、養蚕業の未来とは?後編1/2

ホリエモンWITH 堀江貴文 生物研

<前編はこちら>

なぜカイコは糸を出すのか、その過程がまだわかってない

堀江 現在の遺伝子組み換えカイコには、通常のシルクに対して成分的にどれくらいクモの糸のタンパク質が入っているんですか?

小島 重量としては、0.5〜0.6%です。

堀江 え!? そんなもんでいいんですか?

桑名 よくは……ないです(笑)。もっとたくさんクモの糸のタンパク質が入ったものを目指してはいますけれども、現在、我々の持っている系統のカイコでは、多くて0.6%くらいだということです。

堀江 何%くらいまで増やせるもんなんですか?

小島 なんとも言えないです。

堀江 究極的に言ったら、100%クモ糸のシルクというのも……。

桑名 理屈としてはありえます。

小島 ただ、今のところ技術的にはかなり難しい状況です。

堀江 なんで0.5〜0.6%しか作れないんですか?

小島 ええと……現実的に言えば“0.5〜0.6%”のものが作れたということです。

堀江 ああ、逆にね。

小島 今の技術では、遺伝子組み換えをした時にどこに遺伝情報が入るかわからなかったんですよ。ある意味、運まかせだったんです。

瀬筒 ただ、今はゲノム(遺伝情報)編集という技術が進んできて、遺伝情報を狙ったところに入れることが可能になりつつあります。そうすると100%のクモ糸シルクもおそらく可能にはなると思いますが、その後にそれが分泌できるかどうかという問題が出てきます。

ホリエモンWITH 堀江貴文 生物研

堀江 分泌できるかということは、カイコがシルクを吐き出せるかどうかということですよね。カイコがシルクを出すメカニズムというのは、解析されていないんですか?

桑名 部分的にはわかっていますが、全体像がなかなかわからないんです。完全理解にはほど遠いということです。シルクの元になる“液状絹”が、カイコの体の中に液体の状態で入っています。そして、カイコののど元にある“吐糸口”から、それが吐き出されて糸になるんですけれども、その糸になる過程があまりよくわかっていないんです。

堀江 それは、簡単にいうとカイコがどうやって糸を出しているのかがわからないってことですか?

桑名 そうですね。なぜ、液状のものが、繊維状になるのかもまだハッキリとわかっていない部分が多いんです。

堀江 本当ですか!?

桑名 説はいろいろあるんですが……。

堀江 だって、カイコって日本とか中国とかで昔っから使ってますよね。だから、研究者もすごくたくさんいるはずですよね。

桑名 口から出てきた後のものに関して、たとえば「強いシルクをどう作るか」などの研究はされていたんですが、なぜ糸になるかという研究はあまりされていなかったみたいです。

堀江 つまり、遺伝子組み換えとかができるようになって、はじめてそういうところにも注目されたっていうことですね。

桑名 ですから、さっき100%クモ糸のシルクというものも理屈としては可能だと言いましたが、体の中で100%のものができたとしても、それが本当に糸になって出てくるかどうかがわからない。

堀江 たしかに0.5%くらいだったら、そんなに影響はないでしょうけど……。

桑名 そうですね。99%くらいがカイコのシルクですから。でも、それが10%、20%、50%となった時にどうなるのか……。

堀江 カイコのシルクとクモの糸のシルクって、そんなに違うものなんですか?

小島 糸を作っているアミノ酸の組成はあまり違わないんですが、配列はまったく別物ですね。そもそも、液体をどうやって繊維化するかというメカニズムが違うと言われていますから。

ホリエモンWITH 堀江貴文 生物研

堀江 それをよくチャレンジしましたね(笑)。そのシルクの元になるタンパク質を作っている臓器みたいなのはわかっているんですか?

小島 絹糸腺というのがあって、そこで作られていることはわかっています。

瀬筒 絹糸腺というのは、カイコの幼虫の体重の4割くらいを占めるかなり大きな臓器なんですよ。

堀江 そんなにでかいんですか?

瀬筒 人間が5000年かけて品種改良していって、どんどん大きくしたんです。

堀江 へー。

次のページに続きます。