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メタップス佐藤航陽が考える“通貨の未来”とは?その4

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

取引をオンライン化すれば、与信管理も楽になる

堀江 メタップスのほかにspikeみたいなことをやってる会社ってないんですか?

佐藤 結構、ありますよ。アメリカの賢いベンチャーキャピタルとかは、ソーシャルの次は通貨と決済だというのがわかっているので。だから、通貨を発行してみたり、ヘンな経済市場を作ってみたり、みんないろいろ考えてはいますね。

堀江 たとえば、Squareみたいに具現化してるのは?

佐藤 今、PayPalがやってる顔パスの決済とかもそうだし、GoogleGlassとかもカメラで顔を認証して一致したら、その時点で決済したり……。ビットコイン関連も盛り上がっていますね。

堀江 Appleの指紋認証だってそうですよね。

佐藤 これからは、そういうのが増えてくると思いますよ。だから僕は、銀行や金融システムが作り替えられるのは、この5年以内なのかなと思っています。

堀江 『トレードシフト』っていう会社知ってます? 請求書って、今、紙で送ってますか? PDFを添付したりとか?

佐藤 紙は日本だけですね。海外は管理画面を見て、お互いが「ああ、これでいいよ」っていう感じです。

堀江 そうなんです。『トレードシフト』は請求書が来たらダッシュボードで見て、それを承認するみたいな感じになってる。

佐藤 それが、銀行口座とかまで、全部コントロールできたら面白いですよね。

堀江 そう。取引を全部オンラインでモニタリングできるようになるとね。すると与信管理ができるじゃないですか。僕は、銀行って中小企業に対する与信を放棄してると思うんですよ。つまり、中小企業がお金が必要な時に、将来のキャッシュフローを予測して、お金を貸すことができない。銀行は「不動産を担保に貸します」とか「黒字だから貸します」とか、そういうことしかやってない。だから、もし与信管理がネット上でできて、ネット上で企業にお金を貸せるようになるとリアルの世界にキャッシュを持ってこなくてよくなりますよね。本当に銀行はいらなくなると思うんです。『トレードシフト』のCEOが佐藤さんと同じように「僕たちは法人の取引を全部バーチャル化したいんだ」って言ってましたよ。

通貨の次は政治。国家も民族も関係なくなる

佐藤 少し話が戻りますが、企業や組織が通貨を発行するようになると、国家存亡の危機になりますよね。

堀江 本当にそうだと思いますよ。

佐藤 で、通貨の次はたぶん政治だと思います。選挙って、昔の人が作ったシステムなので、そのシステムに近い人たち、まわりにいる人たちが一番有利じゃないですか。なので、本当に民意を反映しようと思ったら、たとえばある政策などを実現したいという人が手をあげて、クラウドファンディングでお金を集めればいいと思うんですよ。支持したい人がお金を出し合う。そうなると国会っていらなくなりますよね。ただの形だけのものになる。さらに本当に政治をやりたいっていう人は政治家にならなくてもよくなる。ネットで古いシステムを効率化するよりも、テクノロジーを活用してその古いシステムが無くても、「政治」がうまく回る新しい仕組みを考えるほうがはるかに有益だと思っています。組織票集めや派閥争いではなく、民意をくみ取り社会の課題を解決するほうの「政治」ですね。そんな通貨と政治を司るところがなくなってしまったら、その組織(国家)は何なのかなって思いますよね。民族もなくなるでしょうし。

堀江貴文 佐藤航陽 ホリエモンWITH

堀江 たとえば、中東のテロリストがアメリカを憎んでテロを起こすわけじゃないですか。でも、国家自体がなくなると、憎しみの矛先をどこに向ければいいんだっていう話になりますよね。

佐藤 そうですね。

堀江 あと、出会い系サイトが中東などの状況を変えるんじゃないかと思ってるんですよ。

佐藤 Facebookがそうでしたよね。

堀江 そう。だから、たとえば婚前交渉がNGだったり、一夫多妻制だったり、権力やお金を持ってる男に女性が集まってくるという状況が、いろいろな問題を生んでいるとしたら、それが出会い系サイトで変わるかなと。また、中国はほかの先進国に比べて女子が圧倒的に少ないんですよね。男子が優遇される社会になっているので。だから、ものすごくいびつな人口構成になっている。

佐藤 そこをうまくマッチングさせれば……。

堀江 それが、なかなか難しいんですけどね。グレートファイアウォールがありますから。

佐藤 そうそう。国家が崩壊した時にひとつ懸念があるとしたら、インターネット上で国境みたいなものができはじめると良くないですね。中国とちょっと似てますけど、プライベートネットワクークみたいなものが。

堀江 巨大なプライベートネットワークですね。

佐藤 たとえば、AmazonのAWS上でしか存在しえない、通信できないということになったら、縄張り争いになりますからね。

堀江 でも、ネットはひとつのイノベーションが状況をガラリと変えちゃう場合がありますからね。Facebookが出てきた時には、「これでFacebookの天下か!」ってみんな思ってたけど、今は「LINEすげえし……」みたいな話になってくる。「facebook機能継ぎ足し過ぎて重いよ」みたいな感じじゃないですか。

佐藤 それでまた今、snapchatみたいなシンプルなものがひっくり返してって。

堀江 そうなると、巨大なプライベートネットワークって、できにくいのかもしれませんね。……今回はいろいろとありがとうございました。僕は本当に社会を変革していきたいんですよ。ですから、できるところがあれば、ぜひ一緒にお願いします。僕も頑張りますから。

佐藤 はい。もちろんです。

堀江 本当にありがとうございました。