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「太陽系の近くに 生命居住可能惑星はある」 天文学者・成田憲保助教が語る 系外惑星観測の未来とは?後編1/2

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銀河系の中に第2の地球と呼べるものは、数百億個のレベルで存在する

堀江 TMTはいつできるんでしたっけ?

成田 2024年稼動の予定です。でも、2018年からテスのデータが出始めて、それをフォローアップして、それが惑星であることを確認する。そして、「すばる望遠鏡」(国立天文台ハワイ観測所にある大型光学赤外線望遠鏡)で、その惑星の大気や質量を調べたりできれば、TMTが稼動した時にイニシアチブが取れると思うんです。

堀江 すばる望遠鏡で大気の組織までわかるんですか?

成田 細かい組織まではわからないと思います。TMTでも難しい。例えば「水素の大気をまとっている」とかなどは、すばる望遠鏡でもわかる。ただ、細かい「二酸化炭素」とか「酸素」とか「メタン」というやつまで見ようとすると、TMTの次世代の装置が必要になってきます。それは2030年とかにならないと登場しないでしょうね。

堀江 結構、先ですね。

成田 結構、先なんです(笑)。

堀江 でも、近くの星であれば観測しやすいんですよね。

成田 近くであればあるほど観測しやすい。

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堀江 だとしたら、もっと早くわかる可能性もありますよね。

成田 そうですね。

堀江 実際、近くに恒星系ってありますよね。

成田 あります。非常に多くあります。

堀江 ということは、惑星もある。

成田 あると思います。見つかってないだけで……。

堀江 「シリウス(太陽を除き地球から見える最も明るい恒星)」とか「アルファケンタウリ(銀河系の中で最も太陽系に近い恒星)」とか……。

成田 アルファケンタウリにはあると言われていますが、「あれはノイズじゃないの?」という人もいて、まだハッキリしていないんですよね。

堀江 例えば「赤色矮星」とか「褐色矮星」って、惑星があると思いますか?

成田 思います。実は、太陽より赤色矮星の方がハビタブルプラネット(生命居住可能星)の存在確率が多いんじゃないかと言われているんです。

堀江 そうなんですか?

成田 宇宙の大多数の星は赤色矮星なので、そうなると銀河系の中に第2の地球と呼べるものが、本当に数百億個のレベルで存在するんじゃないかと。

堀江 赤色矮星って、核融合はできるんでしたっけ?

成田 できます。赤色矮星と褐色矮星の差は、水素で核融合するかどうかなんです。赤色矮星は水素でできるんですけど、褐色矮星はできない。重水素でしか核融合できないんです。

堀江 褐色矮星には、惑星はあるんですか?

成田 褐色矮星からずっと離れたところには発見されていますが、近いところは今、探されているところです。

堀江 ハビタブルゾーンは?

成田 絶対にあるはずです。どれだけ暮らしやすい環境かはわからないですけど……。

堀江 赤色矮星とか褐色矮星って、もっと近いところで発見される可能性はないんですか? 太陽系とか。

成田 褐色矮星はありえます。暗いので、見えてないだけかもしれませんから。

堀江 そうですよね、だいたい太陽系のことすらもわかってないですもんね。

成田 太陽系の外側の天体のことも、まだわかってないことが多いんです。

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