WITH

VANQUISH『TOKYO BOMB』× HORIEMON『WITH』その1

今回のWITHは、メンズファッションブランドVANQUISH(ヴァンキッシュ)にて毎シーズン製作されているLOOKBOOK上で連載中の対談コンテンツ『TOKYO BOMB』(トーキョー・ボム)に堀江貴文がゲストとして登場した2014S/S号を掲載いたします。

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2013年大晦日。仕事納めを済ませた人々が、新しい年を目前に、慌ただしく街を行き交う夕刻。そう簡単には仕事を納めそうにない二人による対談が行われました。第5弾のゲストは、実業家で、元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社やアプリ開発会社7gogoの創業者であり、有料メルマガの発行や書籍の出版など、幅広く活躍中の堀江貴文さん。石川涼と堀江貴文。この二人を引き合わせたのは、他でもない、TOKYO BOMB vol.4のゲスト、pixiv(ピクシブ)の片桐孝憲さん。初めての会合で意気投合した二人は、さっそくクラウドファウンディングプラットフォーム、CAMPFIREにて立ち上げられた堀江さんのとあるプロジェクトにおいて、「堀江貴文×VANQUISHコラボTシャツ」を制作。

現在も分刻みのスケジュールで働いているという堀江さんは、対談会場に約束の時間の少し前に到着。挨拶もそこそこに、「このあと高層気球を高度30kmまで飛ばして初日の出を生中継するんです」と、早くも興味津々の話題を切り出し、対談がスタート。今回は贅沢にも、片桐さんをインタビュアーに迎え、お送りします。

 

インターネットの中でおもしろい人

堀江貴文(以下、堀江) 高層気球って、今、ブームなんですよ。

石川涼(以下、涼) 聞いたことないですけど(笑)。気球で初日の出を撮影するっていうプロジェクトも、堀江さんが「やりたい」って言ったんですか?

堀江 実は、初日の出の撮影は本来の目的ではなくて、自前で作り上げた宇宙飛行ロケット自動追尾システムがちゃんと稼働するか実験するのが目的なんです。11月にグリコの企画でポッキー&プリッツロケットを打ち上げたんですけど、そのイベントにたまたま気球をやっている人が参加してて。それで、気球を使って自動追尾システムの実験をやることを思い付いたんです。準備期間が一ヶ月半しかなかったんでチームはてんてこ舞いでしたけどね。僕は「やろうよ」って言うだけ(笑)。この実験自体は数万円の予算でできるんです。

片桐孝憲(以下、片桐) 超おもしろいんですけど、話が宇宙工学のディープな世界に入って行きそうなんで、話題を変えますね(笑)。どうして涼さんは堀江さんとコラボしたいと思ったんですか?というのも、ファッションアイコンと呼ばれる人は世の中にたくさんいるわけじゃないですか。

 僕は、これからはそういうファッションアイコンみたいな存在はいなくなると思ってて。

堀江 そうなんですか?

 キムタクみたいな存在ってもういないじゃないですか。そういうファッションアイコン的な影響力よりも、“ネットの中で人気のある人”のほうがおもしろくなっていくと思うんですよね。

堀江 今、日本で一番影響力のあるブロガーってももちゃんですしね。ソーシャルメディア時代になると、一般の人逹がネットの中でおもしろい人に付いていくっていうのはありますよね。

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 もっと言うと、見た目のかっこよさとかはだんだんどうでもよくなってる気がするんです。以前までは、ファッションは個性を主張するものだったんですよ。みんなそれぞれ思い思いのファッションに身を包んで、「はじめまして」って会ってたんです。でも今は、「はじめまして」がネットのほうが先になることが多い。だから、ファッションがどうこうよりも、ネットの中でおもしろいかどうかだったり、自分を表現できる人のほうがモテてるんですよね。ファッションセンスが良いとかそんなのは関係なく。それと同時に、ユニクロだったりH&Mみたいな、安くて良い服を売る会社が出てきた。

堀江 ああー、なるほど。

 昔は全身ユニクロだと「あれ?」って感じだったんだけど、今は全身ユニクロでもじゅうぶんにオシャレだし、清潔感もある。そういう世の中になると、もう奇抜なファッションとかは必要ないですよね。自分をうまく表現できることのほうが価値があるというか。

片桐 ちなみに堀江さんってどこで服買ってるんですか?

堀江 ふらっと近所に買いに行くぐらいですかね。今、動線として一番買いに行きやすいのはよく行くジムの近くにあるショップですね。あとは貰い物が多いです。モデルみたいですけど(笑)。

 堀江さんにとって服なんかは重要じゃないんじゃないですか?

堀江 いや、重要じゃないことはないんですよ。ただ、服ぐらいの価格帯のものだと予算の制約がないぶん、選択肢が多すぎて困るんです。痩せたおかげで着られる服も多くなりましたしね。昨日もたまたま靴を買いに行ったんですけど、結局買うまでに1時間半かかりました(笑)。

 僕は逆に、ふらっと買いに行くことは絶対にないですね。買うものが決まってないと行かない。だから所要時間は5分くらい。

堀江 買うものはどうやって決めるんですか?

 ネットで見たり、ですね。服どころか、買い物自体、行かなくなりました。コーヒーの砂糖もアマゾンで買ってますし。

堀江 僕も基本、アマゾンで買い物してるんですけど、コンビニには行きますね。

 そうそう、今日は、「未来の買い物」っていうのを対談のひとつのテーマにしたかったんですよ。堀江さんは、「買い物に行く」っていう行動というか概念は、どんなふうになっていくと思います?

堀江 “ライブ体験”でしょうね。ライフエクスペリエンスとして魅力的かどうかがすべてになっていくと思います。ネットにダウンロードショップがあるのにあえてコミケに行くのもライブ体験を求めてるんじゃないかな、と思いますし。

片桐 pixivの社員も、コミックマーケット(*世界最大の同人誌即売会)は前日から集合して、何を買うのかを決めて、イベントが終わったらまたみんなで集まって戦利品を見せ合ったり写真を撮ってFacebookにアップしたりしてますからね。これもライブ体験ですよね。

 ライブ体験が得られないような買い物はなくなっていくと思いますか?

堀江 まあ、コンビニエントなものは残るでしょうけど。あとは、通勤動線にあるお店とか。例えば僕の本もアマゾンで売れるのかなと思ってたんですけど、やっぱり本屋さんのほうが売れるんです。

 そうなんですか?アマゾンのほうが売れそうなのに。

堀江 本を出す時はソーシャルメディアで事前告知するんですけど、一定の熱心な読者は発売日にすぐ買いたいんですよ。そういう人逹は直接駅ナカの書店に買いに行くんです。あと、これはたぶん出版社の策略なんですけど、電子書籍は同時発売させてくれないっていうのもあります。だから、こういうコンビニエントなものを通勤のついでに買うとかっていうのは今後も残ると思うんですけど、それ以外のものは店では売れなくなるのは間違いないでしょうね。ただ、そこにライブ体験が待ってるなら話は別で。

 はい、はい。

堀江 リアル店舗という業態が生き残るには、何らかのライブ体験が必要だと思いますね。

 まさにそうで、だから僕逹も2011年からショップにデジタルサイネージを入れてるんです。あと、渋谷109でマスクブランドgonoturn(ゴノタン)とアイドルグループBiSのコラボイベントをやった時は、1階から8階まで、数百人の行列ができたんですよ。

堀江 えっ、数百人!?それはすごい。それがまさにライブ体験ですよね。そう言えば涼さん、一時期タイに住んでましたよね?今日僕が着てるこのTシャツ、タイで買ったんですけど、そのショッピングモールがすごくて。

 サイアムセンターですか?

堀江 そうです、そうです。

 僕、サイアムセンターは世界でも最新のビルだと思ってるんです。

堀江 やっぱりそうなんだ!僕、何も知らないでたまたま行って、「何なんだここは?」って思ったんですよ。

 アートもいっぱい展示してますしね。あのビルってテレビCMとかやってないんですよ。お客さんが勝手に宣伝するんです、アートがいっぱいあるから。で、拡散された情報を見た人がまたどんどんやって来る、っていう。アートも3ヶ月サイクルぐらいでどんどん変わっていくし。しかも作品が“鑑賞者参加型”みたいなものが多いんです。覗くと何かが見える、とか。とにかくあのビルはめちゃくちゃかっこいい、あのデタラメな感じが。あそこからグローバルで有名になるタイ発のブランドがけっこう出てくると思いますよ。

堀江 バンコクって今、すごいですよね。

 未来、ですよね。東南アジアは20世紀があまりよくなかったから、21世紀がいきなり来たみたいな状態で、余計なルールがないんです。だから爆発的に成長してるんでしょうね。

堀江 うん。あとはやっぱりスマホの普及でしょうね。