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「ロボットによる、安全でハイレベルな低侵襲手術を」 リバーフィールド・原口大輔氏と東工大・只野耕太郎准教授が語る 手術支援ロボットの未来とは?後編1/2

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<前編はこちら>

資金があれば開発スピードは格段に早くなる

堀江 今、会社の収入はどんな感じなんですか?

原口 昨年(2015年)の8月にEMAROの販売を始めて、3年間で5、6億円の売り上げが立つ見込みです。通常、こうした医療機械の販売は、病院等に一定期間貸し出し、性能や使い勝手を評価してから買ってもらうという方法をとります。現在は全国の医療機関で相当数の臨床数を積み重ねており、今後本格的に販売が加速すると考えています。

堀江 資金は大丈夫なんですか?

只野 そこが今、一番苦労しているところです(笑)。

原口 一応、ベンチャーキャピタルさんを中心に2億円くらい投資していただいているのですが……。

堀江 これ、資金がバーンと入ったら、もっと開発スピードは早くなったりするものなんですか?

原口 なります。やはり人員が確保できたりするので。

堀江 僕、日本から画期的な技術とかがあまり出てこないのは、単純にパワープレイの問題だと思っているんですよ。アメリカだと、今の時点で50億円くらい調達していますよ。

只野 ダビンチは100億円以上、200億円近く調達していました。

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堀江 でしょう。例えば、定価1億円のロボットを作っても、それが世界中の病院に入る可能性があるわけですよね。100台とか200台っていう単位じゃないですよね。

原口 そうですね。

堀江 それにサプライの売り上げも出てくるので、何千億円というビジネスになるわけですよ。だから普通は「100億円くらい投資します」っていう話になるんです。

原口 なるほど。

堀江 だから、アメリカの企業が“デスバレー”を超えていくのは、そこでの資金パワーだと思うんですよ。

原口 ダビンチもあれだけの資金があると、例えば自分たちにない画像技術とか、そう言ったノウハウを持っている会社を次々に買収できるんです。それで、あっという間に大きくなったという印象があります。

堀江 日本って、ビビってる企業が多いんですよ。「何十億も調達して、もしうまくいかなかったらどうしよう」とか、「自分たちには分不相応だ」とか、「ゆっくり成長していけばいいや」とか、なかには「資金を受け入れたくない」って思ってる人もいる。

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原口 そうなんですか?

堀江 それは、この対談をやってきてわかりました。

原口 うちは、限りなく二桁億円に近い資金調達を希望しているんです。

堀江 だったら、アメリカに行ったほうがいいですよ。すぐに50億円とか集まると思います。僕なんかロケットのベンチャーなので、「お前ら、本当に宇宙空間にロケットを打ち上げられるのか?」みたいな感じに思われているので、なかなか資金が集まらないんです。でも手術ロボットは、時間とお金をかけて、規格をクリアするための試験を積み重ねていけば、きちんと製品ができるわけじゃないですか。そうすれば厚労省の認可も取れるわけですよ。そういう意味でいうとすごく期待できます。

原口 ありがとうございます。

堀江 それに、日本だけでやっていくぶんにはいいんですけど、手術支援ロボットってグローバルなマーケットを狙っていくわけですよね。そうすると悠長なことはいってられない。スピードが必要なわけですよ。

原口 確かに。

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