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ホリエモンWITH 光で遺伝子をコントロールする東工大准教授、 増田真二が描く遺伝子と生命の未来とは?その3

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光を当てると、あてたところだけ色が変わるバラを作ってみたい

堀江 僕、今、光合成の分野にすごく注目してるんですよ。光をいかに科学エネルギーに変えるかというやつなんですが。

増田 おそらく人工光合成ですかね。人工光合成系を組み上げるような研究はけっこう盛んに行われていますよ。

堀江 僕の理解だと、光によってプロトンポンプを働かせるっていう……。

増田 ああ、それを作るのも光合成のひとつの役割ですね。

堀江 ですよね。光エネルギーが位置エネルギーみたいなものに変換されるんですよね。ダムを作ってる感じに似てますよね。

増田 1階にある水を2階に組み上げるようなことをやってますね。

堀江 それって、揚水発電と一緒ですよね。

増田 僕は地球生命研究所というところにも所属しているんですけど、そこでは「最初の生命はどうやって誕生したか」とか、「光合成はどうやって生まれたか」っていう研究もしてるんです。それで、プロトンは生物のどの段階で作られたシステムかということも研究してるんですが、その答えはまだわからないんです。

堀江 まだ、わからないんですか。

増田 ええ、最初の細胞がどういうものだったかというのが、わからないので。ただ、生命ができて、細胞らしきものができた。そして、そのかなり早い段階でプロトンの濃度勾配を利用したATP(アデノシン三リン酸)合成のシステムができたんだろうとは言われています。

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堀江 あの仕組みが、すごいなぁって思ったんですよね。なんでこんなに複雑なんだろうって。

増田 複雑ですよね。ATPを作る酵素が水素イオンをくみ出す時にクルクル回るっていう話もありますよね。

堀江 だから、揚水発電みたいだなと思って。

増田 言われてみるとそうですね。

堀江 原発って、夜中の電力需要が低い時もずっと定常運転してるじゃないですか。それで余っている夜中の電力でダムの水汲みをしてるんですよ。だから、原発と揚水発電ってセットなんです。でも、今は違いますよ。原発が停止しちゃってるんで。原発って出力を簡単に上げたり下げたりできないんですよね。だからベース電力にしてるんです。それで、昼間の電力需要が増える時は火力をプラスして、それでも足りない時は揚水とかで発電するんです。

増田 確かに、細胞の中で行われてるのと似てますね。

堀江 リアルな世界でも、これがやっぱり一番効率が良かったんだみたいな。仕組みが一緒なんで、不思議だなと思いました。遺伝子発現の話に戻ると、これからはゲノムに組み込んでそういうのができるようになると……。

増田 今は、初期の段階で働く転写因子に対して、そのシステムを試しただけなので、次はもうちょっと後期の段階の体形を作り上げるのに必要と思われる転写因子の機能を調べてみたいですね。あとは、ゼブラフィッシュだけじゃなくて、植物でやってみてもいいかなとは思ってるんです。少し前にサントリーさんが青いバラを作って商品化したんですけど、たとえば光を当てると色が変わるものとか、そういうのもいいのかなと思ったりしてます。

堀江 光を当てると色が変わるバラですか!?

増田 ええ、当てたところだけ色が変わってるみたいな。

堀江 それ、できたらやばいですね。たとえば、蕾だったのが光を当てたら花が開くとか。

増田 組み換え体として、植物はいいのかもしれないと思ってます。

堀江 それ、めちゃくちゃいいですね。それだけでベンチャー企業をつくれますよ。

増田 研究をうまく生かしてくれるところがあれば、やりたいですね。どんなレベルでもいいですから。