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「実は海外から日本食のレシピが かなり検索されているんです」 「kurashiru(クラシル)」堀江裕介代表が語る レシピ動画サービスの次の戦略とは? 後編1/2

<前編はこちら>

次の狙いは海外進出。動画だから外国の人にもわかりやすい

貴文 今の「クラシル」の収入源ってなに?

裕介 うちの場合は、ひとつは「企業とのタイアップ広告」。Facebookやアプリ内のレシピ動画再生の時にテレビと同じような形でCMを出しています。もうひとつは「有料課金」です。今はタイアップ広告が主な収入源ですが、今後、有料課金にも力を入れていきたいと考えています。

貴文 (クラシルのアプリを見ながら)あ、「たべれぽ」って、こんな感じであがってるんだ。インスタっぽいね。

裕介 そうですね。結局、ユーザーってFacebookやインスタ、ツイッターのプラットフォームに慣れているんですよ。だったら、そっちのUI(ユーザーインターフェイス)に寄せるべきだと思うんです。でも「わかりにくい」「使いにくい」って言われるアプリは、そっちに寄せていない。自分たちのやり方に合わせろというのではユーザーはついてこないし、それは単なるエゴでしかないと思っています。

貴文 次の展開は何を考えてるの?

裕介 国内で業界ナンバー1の地位を盤石にしつつ、海外進出も狙っていきたいですね。実は「すき焼き」とかの日本食のレシピが、海外のユーザーからすごく検索されているんですよ。

貴文 そうだろうね。

裕介 クックパッドが海外進出するときは、例えば英語などの言語でもう一度、一から作り直さなければならない。しかも、ユーザー投稿のレシピなのでいろいろと面倒くさいことがあり手間がかかります。でも、僕らは基本的に動画だし、自分たちで全部作っているから、それに比べて楽なんです。

貴文 なるほどね。

裕介 海外だと食の意識が日本より低い国が多いかもしれないけれど、日本の人口は約1億人で、全世界だと70億人です。課金サービスを利用する人の割合が少なかったとしてもケタが違う。やはり、グローバルな展開は狙って行きたい。あと、長い目で見ればメディアや金融なんかは、すごく興味のある分野ですけど……。

貴文 オンラインサロンはどう? 今、「HIU(堀江貴文イノベーション大学校)」っていうのをやってるんだけど、あのサロンは俺なりの“働き方改革”なんだよね。

裕介 オンラインサロンが、ですか?

貴文 うん。大学でもない、会社でもない、異業種交流でもない。でも、そこからいろんなムーブメントや事業、流行などが生まれていく……という仮説のもとにやってるんだけど。

裕介 へー。

貴文 事業としても黒字で、すごく上手くいってる。それに例えば、ロボットやAIの時代になると人間のやる仕事は少なくなって、つまらない仕事はしなくてよくなるよね。

裕介 はい。

貴文 すると、人間が「面倒くさい」と思っていること、「不得意」なことなどをロボットやAIがやってくれるようになる。そういう世界が、俺はみんなが思っているより速く来ると思ってるわけ。自動で服をたたんでくれるタンスみたいの(全自動衣類折りたたみ機)あるじゃない。あれ、いろいろ言われているけど、俺、結構いいと思うんだよ。

裕介 たたみ方なんてパターンだから、ディープラーニングでできますよね。

貴文 そう。そうやって人間がやることがどんどん少なくなって「もっと楽しもうか」「遊ぼうか」っていうことになる。

裕介 じゃあ、次はレジャーとかそっちがくるんですかね。

貴文 あと、会社も会計とかそういう事務的なものは必要なくなるから少人数で回せるようになる。さっきの「TERIYAKI」なんかも社長と従業員2人だけで、お店のキュレーションをするのは外部の人。今はそういう会社ばかりを作っていて、究極は「一緒に仕事をしたい人の元に集まってくる」という形。で、今やっているサロンは、そういう流れで人が集まってきている。

裕介 なるほど。これからは会社っていう単位で動くのではなく、プロジェクト単位で参加したい人が集まって何かをするという。

貴文 実際にサロン内で旅行用のキャリーケースやリップクリームを作ったり、トライアスロンのレースを主催したり、PR動画を作る事業を立ち上げたり、いろんな動きが出てきているんだよね。

裕介 へー、面白そうですね。

貴文 もちろん、何かをしなくちゃいけないというわけではなくて幽霊会員でもいい。学校に行かない人がいるのと同じ。縛りはないんだ。これが会社だと、雇っている側は「お金を払ってるんだから働かせなきゃ」って思うし、従業員側は「給料をもらってるんだから働かなくちゃ」って無理をして、心の病気になったりすることもある。

裕介 そうか。

貴文 今はブラック労働とかが問題になってるけど、これなら自分が好きなことをやっているわけだから、その心配がないよね。これからはそういう時代になっていくんじゃないかと思ってる。

裕介 確かに。

貴文 だから、俺なりの働き方改革なわけ。

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